第10話

No.10
4,010
2021/05/25 12:43
天馬司
そしてお前が柏田あなただな!冬弥から聞いているぞ
あなた

え、あ、そうなんですね








東雲くんへの話が終わると、天馬先輩は私の方を向いて話しかけてくる。





てか青柳くん、私のことなんて言ってたんだろ。







あなた

あの、青柳くんは、私のことなんて言ってましたか?

天馬司
ん?ああ。趣味が合うから話していて楽しいと言っていたぞ







ちらりと横にいる青柳くんを見る。





青柳くんは東雲くんと話していて、こちらには気がついていないようだった。







天馬司
ひとつ聞きたいのだが、あなたは冬弥のことが好きなのか?
あなた

ふぇあ!?








突然天馬先輩から出た言葉に驚き、私は思わず声を上げる。







あなた

な、ななななに言ってるんですか天馬先輩。そんなんじゃないです、違いますよ

天馬司
そうか。なら俺の勘違いだな
神代類
ほほう...?







神代先輩が、少し意地悪そうな表情をする。







神代類
でも今の君の反応だと、かなり戸惑っているように見えたよ?本当は図星なんじゃないのかい?
あなた

そんなこと...








私は再び青柳くんの方に目を向ける。





青柳くんが好き、だなんて。





わからないよ。





青柳くんは私と同じ神山高校の図書委員で、隣のクラスで、共通の趣味があって、それで...。







神代類
まあ、いつでも相談においで。待っているよ
あなた

は、はい...








相談ってなんのことだろ。





まあ、いっか。







天馬司
よし!せっかくだ、お互いに連絡先を交換しようじゃないか!
神代類
ほほう、司くんにしてはなかなかいいことを言うじゃないか
天馬司
オレにしては、ってなんだ!どういうことだ類!
神代類
そのままの意味だよ、司くん







この二人って、いつもこんな感じなのかな。





そう思いながら見つめる私の横で、青柳くんはにっこり、東雲くんはげんなりした表情で彼らを見つめている。







天馬司
冬弥は既に交換済みだからな。あなたと彰人、連絡先を教えてくれ
東雲彰人
あー...はい
神代類
なら、せっかくだし僕ももらおうかな。いいかい?
あなた

あ、はい








と、青柳くんが私の方を見て口を開いた。







青柳冬弥
そういえば、俺も柏田の連絡先は持っていなかったな。ついでといってもなんだが、せっかくだから教えてくれないか?
あなた

え!う、うん!もちろん!








突然かけられた言葉に驚きつつも、私は急いで頷く。





実は前から青柳くんの連絡先、知りたかったんだ。





まさか本人が交換しよう、って言ってきてくれるとは思わなかった。





少し、いや...かなり嬉しい。







東雲彰人
あ、じゃあ柏田さん。俺もいい?
あなた

うん、いいよ








青柳くんの言葉を聞いて、東雲くんも同様に私に言った。





天馬先輩、神代先輩、東雲くん。





そして、青柳くん。





なんか、すごい人たちと連絡先交換しちゃったのかも。

プリ小説オーディオドラマ