第8話

No.8
4,438
2021/05/23 03:48
昼休みになった時だった。





大きな爆発音が聞こえたのは。





クラスメイトの一部が、驚いたように声を上げている。





なに、今の音...。







???
どうなっているんだ類!今、爆発したぞ!?







中庭からだ。





私は気になり、窓から中庭の様子を見る。







???
これは明らかに火薬だろ!火薬を使っただろ!?
???
いやあ、使うわけないじゃないか。ここは学校だからねえ
???
ウソをつけ!じゃあ、なんで爆発した!?見ろ!このオレの、チリチリになってしまった髪を!
???
大丈夫、普段とそう変わらないよ
???
そんなわけあるかっ!!







中庭にいたのは、クリーム色とオレンジ色を混ぜたような明るい色の髪をした男子生徒。





その横には、明るめの紫色の髪が目立つ男子生徒。





髪の色だけでこんな目立つんだね。





もう覚えちゃったよ。







先生
コラーッ!またお前たちか!?







あ、先生が走ってきてる。







???
まずい、先生だ!おい、早く逃げ...って、いない!?
???
ははははっ☆
???
こ、この薄情者ー!!







いったいなんだったんだろ。





なんかすごかったけど。







クラスメイト
ああ、天馬先輩と神代先輩だろ。2年生の間じゃ結構有名な変人らしいぞ。確か...変人ワンツーフィニッシュって呼ばれてるとかなんとか







たまたま耳に入ってきたクラスメイトの言葉に、私は思わずきょとんとする。





変人ワンツーフィニッシュ...?





なんかやばそう。





あんまり関わりたくはないかな。





と、







青柳冬弥
彰人、いるか?







青柳くんが教室のドアから顔を出した。







東雲彰人
ん、どうした?
青柳冬弥
大した用じゃないんだが、放課後ちょっと付き合ってほしい







と、青柳くんがこちらに視線を向けた。





私も彼を見つめていたため、バッチリ視線が合ってしまう。





やば、見てるのバレたかも。





なんて思っていたが、彼は私の方を見て言った。







青柳冬弥
丁度いい。柏田もちょっと来てくれ
あなた

え、あ、うん








なんだろ。







東雲彰人
なんかあるのか?
青柳冬弥
ああ。二人に、紹介したい先輩がいるんだ
東雲彰人
先輩?
青柳冬弥
俺が小さい時からお世話になっている先輩だ。彰人や柏田にもぜひ会わせたい。その人も、昔はピアノをやっていて、よく連弾して遊んだりしてもらった。音楽への造詣も深い。人として、尊敬している先輩なんだ







青柳くんが尊敬する先輩かぁ。





会ってみたいかも。







東雲彰人
へえ...尊敬してる先輩、ねえ。お前にそこまで言わせる先輩なら、オレも会ってみたいな
青柳冬弥
決まりだな。じゃあ放課後、俺がそっちに行くから一緒に行こう







そう言って戻っていこうとする青柳くんを、慌てて呼び止める。







あなた

東雲くんはともかく、私なんかが一緒に行ってもいいの?迷惑じゃない?

青柳冬弥
迷惑だなんて思ってない。それに先輩は、柏田とも会ってみたいと言っていたからな







そうなの?





不安そうな表情をする私を見て、青柳くんは安心させるように微笑んだ。







青柳冬弥
それに、俺も柏田には先輩に会ってほしいんだ。俺が尊敬する先輩を、柏田にも知ってほしい







そっか、迷惑じゃないんだ...。





それならよかった。





私は彼の言葉に、安心して笑う。







あなた

わかった。じゃあ、放課後にね

青柳冬弥
ああ。じゃあ彰人、柏田、またあとで
東雲彰人
おう。あとでな







青柳くんはそう言うと、自分の教室に戻っていった。

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