第15話

No.15
3,517
2021/06/11 11:54
天馬司
...よし、拭けたな。食べてよし!
東雲彰人
じゃ、いただきまーす
天馬司
いいか、良く味わって食べるんだぞ!
東雲彰人
はいはい
天馬司
はい、は1回だ!






なんかお母さんみたい。







東雲彰人
もぐ...じゃあオレはこれで。柏田さん、また後でな
あなた

あ、うん

天馬司
口の中に物を入れたまましゃべるんじゃない!まったく行儀がなっていないやつだな







天馬先輩が注意するも、東雲くんはその言葉が聞こえないかのようにして去っていく。





行っちゃった...。







天馬司
さて、それでは優雅なランチタイムにしゃれこむとするか!







そう言ってお弁当箱を広げる姿を見つめていると、天馬先輩は私を見る。







天馬司
彰人と一緒に行くんじゃないのか?
あなた

あ、いえ、私は中庭でお昼を食べようかと思ってて...

天馬司
ならオレの隣に来るといい!安全だからな!
あなた

あ、じゃあ、お言葉に甘えて...失礼します








ほんとに安全なのかはおいといて。





せっかくだし、ここでいいかな。







天馬司
そういえば、あなたにはあげていなかったな!ほら、どれでも好きなおかずを選ぶといい
あなた

え、でも、私はなんにもしてないですよ?

天馬司
いいからほら。可愛い後輩にわけてやらない選択肢はないだろう?
あなた

...じゃあ、いただきます








ここまで言われて、断るのも申し訳ないものね。





それにしても、どれも美味しそう。





少し迷ってから、私は卵焼きをとって口に運んだ。





え、待って、めちゃくちゃ美味しい。







あなた

天馬先輩。これめっちゃ美味しいです

天馬司
そうか!それはよかった!







天馬先輩はそう言って、満足そうに笑う。







天馬司
そうだ。あなたに、ひとつ言いたいことがある
あなた

なんですか?

天馬司
冬弥も彰人も、オレのことは名前で呼んでいるだろう?あなたもぜひそうしてくれると嬉しいんだが、いいか?







突然紡がれた言葉に驚き、私は何度かぱちぱちと瞬きを繰り返す。





名前...確か、司だったよね。







あなた

司先輩、でいいんですか?

天馬司
ああそうだ。これからはそう呼んでくれ
あなた

ふふっ、わかりました、司先輩








そう言うと、司先輩はいつものように高笑いをする。





癖なのかな、これ。





まあ、司先輩らしいけど。







天馬司
そういえば、あなたは何組なんだ?
あなた

私はC組です。東雲くんと一緒ですよ

天馬司
彰人と一緒か、なら覚えやすいな!







他愛のない会話をしながら、ゆっくりとお昼ご飯を食べる。





こうやって司先輩と二人で話すのは初めてだったけれど、少し楽しかった。

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