ザワついた教室
クラス視線が痛い。
クラスだけでは無い
ほかのクラスでも知ってる
人がほとんどだった。
私を指さしながら
そんな話ばかりだ。
人間というものは
なぜだか、1つの情報や
1つの観点に頼りやすい。
だからこんな風に
誰も知らない被害者が出る。
また事実とされていたものが
ひっくり返ったところで
心配している人の半数が
偽善者だ。
本当に心配してくれる人
はほんのひと握りだ。
本当に馬鹿みたいだけど
それが私達人間だ。
足に力を入れて地面を勢いよく蹴った。
そして素早く席に座ると
本を読んだ。
本を読んでいると1人になれる。
その時間が私にとっての唯一の癒し。
コレが3年間続くのかなぁ?
モブ1は、私の「分かった」を聞いて
友達の方にニヤニヤしながら
戻って行った。
空き教室に着くと
体育祭の赤のスローガン「赤が絶対優勝」
の旗が黒く塗りつぶしてあった。
確かこれ作ってるのって応援団だよね…
さとみさん応援団じゃなかったけ?
知らせに…
でも噂聞いて私となんか喋りたくないかも…
ガラガラっ
誰かが入ってきた。
誰かがジェルさんの口を塞いだ。
えっ?さとみ?
~空き教室~
空き教室ではるぅとさんと、
私とさとみの3人になった。
何を言われるかビクビクしている私に
さとみは、優しい口調でこう言った。
なんでこの2人は信じてくれるんだろう。
もしモブ1、2の会話を聞いてたとしても
周りの皆がそれを信じてくれる
わけがないのに…
私を助けたところでさとみや、るぅとさん
の利益には、ならないのにっ!
どうして私を信じようと思ったんだろうか…
分からない…
私はこの人達を少しだけ信じる事にした。
もし また裏切られたら
もう絶対自分以外は信じない。
そう決めた。
そして私はゆっくり自分の過去に
ついて話し始めた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!