第75話

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2023/01/25 10:09
俺は気がつけば、白い見知らぬ天井を見ていた。
体が動かない。手先すらしんどい。
なんだ…………どこだ…………ここ…………
待て…………俺は生きてんのか……死んでのか……?
松田「……………………ぁ""……」
声を出そうとしてもなんだこれ…………うまく喋れねぇし……声が出ねぇ…………


































「松田さん起きましたか?具合どうですか?」
頭がうまく動かねぇのに、俺に覗き込んできたのは
見知らぬ看護師。あいつじゃない。
「私の声聞こえてるなら瞬きを2回してください」
俺は言われた通りに瞬きをすると看護師はまた話した。
「12日間生死をさまよっていたんですよ。爆弾に巻き込まれて奇跡的に生きてますよ松田さん」
「今も正直生きているのが不思議なほどです。先生を呼んできますね。それとご家族にお電話してきますね」
俺にまた笑った後に俺の視界からいなくなった看護師。
今も呼吸器があって、体が動かねぇ。起き上がりも出来ねぇし喋れねぇ。
視線を色々なところに動かすと自分の体に無数に巻かれた包帯に腕に繋がれた点滴。
窓際に置かれていた花。ベッドのそばには俺の着替えが置かれてた。
松田「(あいつは……?俺が吹っ飛んだの知ってるのか……?)」
あなたとの電話を切った後、俺は爆破場所が分かるまで観覧車までいた。
分かって佐藤に爆破場所をスマホで伝えた後、俺は爆弾によって吹っ飛んだと思った。
だけど、俺は生きてる。生きてんのか俺は。
体が痛てぇし頭が痛てぇ。けど
松田「(生きてる……俺生きてやがる……)」
その事実に俺は喜んでいた。
絶対死んだと思ってたのに、生きてる。自分の生命力が気持ちが悪ぃほどに。
松田「(あいつの顔が見てぇ…………会いてぇ……)」
何もできねぇ体なのに俺はガラにもなく涙を流した。

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