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2019/06/15

第1話

「白石麻衣×保育士」ep.1
 保育士になって2年。仕事には慣れてきたが、まだまだ失敗してばかりだ。子どもたちには落ち込んでいる姿を見せまいと必死で笑顔になるが、子どもは正直だ。

「まいせんせーい、悲しい顔してどうしたの?」
「ううん、悲しくなんかないから大丈夫だよ。ほら、先生と遊ぼ!」
気を紛らわせるように遊んだ。やっぱり子どもたちの笑顔には癒やされる。私の顔にも自然と笑みが溢れる。

私には一人、気になっている子がいた。
いつもみんなの輪には入らず、一人でお絵かきをしている。他の先生も気になってはいたが、話しかけても返事が返ってこないので置いてけぼりにされている。先生に相談しようと思ったがなかなか言い出せない。最初はその男の子に話しかけてみようと、目線を合わせる。名札には(りく)と書かれていた。
「りくくん、何描いてるの?」
「…」
返事は返ってこない。でも話してくれるまで話しかけてみる。
「先生も一緒にお絵かきしようかな。」
「…」言葉は発してないが、机の上にあったスケッチブックと色鉛筆を渡してくれた。
「ありがとう!りくくん、優しいんだね。」
「…」また書き始めた。
「りくくん、好きなもの何?」
「…」
「車とか好き?」
なかなか話してくれない。いくつか質問を投げかけるが声を聞くことはなかった。
「白石先生、ちょっと来て!」
先輩に呼び出されて、その場を離れなくてはならなくなってしまった。
「すぐ帰ってくるからね。」
きっと待ってないが、声をかけてその場を後にした。

数十分後、りくくんのもとに戻ると一枚の紙が置かれていた。りくくんはいなくなっていた。
「りくくんなら帰ったよ。急用ができたみたいでお父さんが迎えに来てて。」
今日は声が聞けなかったと思うと悔しい気持ちでいっぱいだった。紙を見ると、マイクらしきものが書かれていた。どういう意味か分かろうとしたが、思い当たることがない。りくくんを見送った先生にも聞いてみたが、分からなかった。
「まい先生に渡してほしいって言われただけで私も分からないんだよね。ごめん。」
「いや、大丈夫です。」
明日りくくんに聞いてみることにした。