帰りのHRが終わり
いつもははるか先輩と
腕を絡ませながら帰っている
先輩が珍しく迎えにきた。
『今日は俺の家親帰ってこないから
久しぶりにおいでよ』と言われ
先輩の家についた。
先輩にリビングに案内されて
ソファに横になって座った。
先輩はいつもこうやって
はぐらかす…。
先輩からきつく抱きしめられた。
こんなのキープみたいなもんじゃん。
さすがに私はもう我慢できなかった。
いつもはこのまま許して
抱きしめ返してるけど
先輩の手をどけた。
先輩の言葉を無視して家を飛び出した。
ほんとは今すぐ戻って抱きしめたい。
『すき』って何回も伝えたい。
でももうだめなんです。
ポロポロと涙をこぼしながら
家に帰った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!