よくわかんないところを、一人で歩いていた。
ここはどこなんだろう。もう真っ暗で人数も少ない。
壊れている外灯もあるし、これでもかってくらい明るく光る外灯もあった。
黒い服の人も、派手な服の人も、カップルも、一人の人もいた。
そして俺は、誰もこなさそうなスペースを見つけてそこに座った。
なんで友達はあんな風に変わっちゃったのかな。
なんで親は俺の事を世話しなくなっちゃったのかな。
なんでお兄ちゃんは俺を痛めつけるのかな。
誰もいないところで俺は泣いた。
何もかも吐き出して、泣いたんだ。
誰に聞いても本当の答えを教えてくれない質問を、1人で沢山した。
泣きながら、1人でたくさん、たくさん……。
気づくと、俺は深い眠りについていた。
𝕟𝕖𝕩𝕥➯➱➩
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。