第11話

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2021/11/18 12:01
よくわかんないところを、一人で歩いていた。

ここはどこなんだろう。もう真っ暗で人数も少ない。


壊れている外灯もあるし、これでもかってくらい明るく光る外灯もあった。


黒い服の人も、派手な服の人も、カップルも、一人の人もいた。
そして俺は、誰もこなさそうなスペースを見つけてそこに座った。
莉犬
なんで俺は辛くなきゃいけないんだろ…
なんで友達はあんな風に変わっちゃったのかな。


なんで親は俺の事を世話しなくなっちゃったのかな。


なんでお兄ちゃんは俺を痛めつけるのかな。
莉犬
なんで……なんで俺だけっ……
辛くならなきゃいけないのっ……!
誰もいないところで俺は泣いた。



何もかも吐き出して、泣いたんだ。
莉犬
俺はどうしてあの家に生まれたのっ?
なんであの人たちに会ったの?
なんでこんな性格に育ったの?
誰が…誰がそう仕向けたのっ……?
誰に聞いても本当の答えを教えてくれない質問を、1人で沢山した。


泣きながら、1人でたくさん、たくさん……。



気づくと、俺は深い眠りについていた。
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