【あなたの下の名前said】
追いかけてきて欲しかった
だからわざとマサイさんの家に行った
もしかしたらまた襲われるかもしれない
なのにあなたは来なかった
何分経っても
何時間経っても
マサイさんも流石に慌てている
ほんとに来ないのかな
モトキさん
だって…さっき襲われた人の所にいるんだよ?
LINEも音沙汰ない
だんだん悲しくなってくる
なんて散々な一日なんだろう
襲われて
友達だと思ってた人にキスされて襲われて
恋人には見捨てられて
なんなの本当に
マサイさんに貸してもらった布団に潜り込んだ
涙がこぼれてきた気がした
「泣いてる」って認識したらもっと虚しくなる気がしたから
気付かないふりをした
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!