次の日。
あなたside
事務所に来て早々、壱馬と目が合った。
なんだって。
壱馬って、色んな人に気を配ってばっかりで。
羨ましいぐらいに。
私もそんな技術欲しいな〜。なんて思いながら楽屋に行った。
楽屋に入るとすぐ玲於が話しかけてきた。
玲於が朝から話しかけてくるなんて珍しい。
何かあったのかな?
あ、衣装のこと考えてなかった。
ヤバっ。やらかしたわ。
自分で言うのもあれだけど、スタイリストさんへ。
冬なので露出の多い衣装控えて欲しいです。
あなたより。
なんて手紙送りたいぐらい。
リスカなんてしなきゃ良かったのかな。
でも、1回やったから、そこから抜け出せない。
痛みと同時に、快感?爽快感?でも、表せないほど心が落ち着く。
今すぐ切ったっていい。
でも、メンバーにバレたら何言われることか。
でも、本当にやめられなくなった。
今日だって家に帰ったら、また切る。
玲於、いつ気づくかな。
ピコンッ。
1件隼からLINEがきた。
「ゴム買ってきて」
こんなに笑えるの幸せ〜。
なんか、亜嵐くんと龍友くんの変態コンビに付き合わされてる玲於。
それを黙って見てる涼太くん、裕太くん、メンさん。
たまに会話に入る隼。
この7人やっぱいいな。
ずっとこのままがいい。
でも、今の私は玲於が抱きたくなるような身体じゃない。
でも、傷跡は残るかもしれない。
いつまで続くかな?
そう思った頃には歯車は狂い始めたのかもしれない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。