どうしよう。
今思えば私告白なんてしたことないよ...!
どうやればいいの......!!?
ちらっとてお兄ちゃんを横目に見る。
そこには、電話で話している姿があった。
__カッコイイ。
好きって意識し始めてから、てお兄ちゃんがどんどんかっこよく見えるようになってきた。
ファンが好きって言う気持ちが分かってきた。
笑い声も、笑ってる顔も、
全部かっこいい。
しばらくぼーっとしていた。
気がつくと、てお兄ちゃんの電話は終わっていたのだ。
車に乗り込む。
二人きりの空間はもしかしたら今しかないかもしれない。
告白するなら今......なの、かな...。
でも、今はやめておこう。
気まずくなったら倒れちゃうよ......。
『ピリリリリリリリリリ』
てお兄ちゃんの携帯がなる。
...電話の相手は有名youtuberのかすちゃんのようだ。
てお兄ちゃんの笑い声だけが、車内に響く。
_____早く終われ________
私はそう思った。
好きな人が、別の女の子と話している。
しかも目の前で楽しそうに。
てお兄ちゃんは私の事好きじゃなくても、辛かった。
きっとてお兄ちゃんはかすちゃんが大好きだから。
目を見開く。
赤面しながら、好きって言った。
かすちゃんに。
なぁんだ、やっぱり...好きだったのか...。
ぼふっとコートを被る。
泣いてる顔なんて、見せたくないから。
...電話を切った。
でも、私は顔を見せられない。
......一人心の中で泣き叫んだ。
テオくん視点
告白、どうしようか。
そんなことをずっと考えて仕事をする。
どうしよう、どう告白すればいいのか。
しばらく恋なんてしたことが無い。
しかも実の妹に恋をするなんて。
......まじでどうしよ))
まぁ隣にあなたがいるから普段通りを装ってるけど。
相当まずい。
電話を切ったあと隣を見ると、ただぼーっとするあなたの姿があった。
どこか様子がおかしい。
ちょっと前からそうだった。
『ピリリリリリリリリリ』
俺の電話がなる。
電話の相手はかすだった。
かすは唯一俺があなたを好きなのを知ってる。
隣で聞いてるっつーのに!!!
まぁあいつには沢山助けられてっからな......。
......なんかあなたはフード被って顔見えねぇし。
もしかして、俺と居るの嫌なんかな。
.........先手......か。
......このタイミングは無理だな。
もうすこし待とうか。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!