そよ風が優しく肌を撫でる。
上から注いでくる太陽の光が眩しく、それでいて暖かい。
ゴールデンフラワーの花畑はふかふかで、まるで自分専用のとても上質な寝床の様だった。
そろそろ「パパ」に怒られそうなので、眠い目を擦りながら体を起こす。
まだ寝ぼけていて動けないが、徐々に目が覚めてきた。
いつもRuinsに泊まっているが出かける時は大抵あの大扉をくぐり抜け、Snowdinを通り挨拶を済ませ、WaterfallでUndyneにちょっかいを出されたりもするが、彼女はとてもいい話し相手だ。
そして気が向いたら、Napstablookの所にも遊びに行って一緒にゴミのような気分になってリラックス。
そうしたら今度はHotlandでAlphys博士とアニメの話をする。
たまにMettatonも研究所でくつろいでいて、あった時は必ず挨拶してくる。(ダ〜リ〜ン☆と……(-_- ))
そして…最後はパパのお城、玉座前のゴールデンフラワー畑で休むのだ。
これが、僕の一日の流れである。
ぶっちゃけるとRuinsに居てもすることは無いから、毎日外に出かけて新しいことを探している。
僕自身、リセットをせずに、ずっとこの世界に住み続けたらどうなるんだろうという実験がやってみたいと思っているのも少しあるが、少なくとも今は純粋に楽しく暮らしていたいのが現状で…
Sansはよくウチに遊びに来てくれる。
ママと知り合うようになってからはギャグを言い合ったり、特技の披露だったりと向こうも向こうで話のネタは尽きない。
気付くと後ろにSansが立っていた。
いっつも気づかないうちに背後を取られて居て、いつか見返してやろうかとか考えてたりしてるけど…恐らく僕が考えたところで成功するはずもなさそうだから夢のままで終わっている。
相談?
そう思って立ち上がる。
Sansが僕に相談なんてもっと珍しい。
いつもはこっちから話しかけない限り滅多に話しかけてこないし、話しかけてきてもまたジョークに持っていかれたりするので骨が折れる……スケルトンだけに(ツクテ-ン)
とまぁ僕もこんなくだらないこと言うようになったからもしかしたら心のどこかではSansが好きなんじゃないかな。
Alphys……さっきも話した、Hotlandの研究所で研究(アニメ鑑賞)をしている、王様直属研究員…だっけ?それをしている。
Alphysは史上初、ソウルを持ったロボットとしてMettatonを作って王様に認められ、直属研究員になったところまでは知っているけど…
地下世界にはたくさんの種類のモンスター達がいて、僕もお話したり、ナンパしたり、ハグしたりとか…まぁいろいろやってるけど、仲良く過ごしている。
言われて気づいたけど、確かに今日はここに来るまでに出会ったモンスターの数がいつもより少なくなっている気がした。
Undyneに行ってもらえばいいんじゃ?
と思ったけど、Sansなら頭がいいからきっと何か考えがあるんだと思う。
それに減ってるのがモンスターならもしAlphysの研究所が当たりで、Undyneにもしもの事があったら(まぁ強いしそうそうないと思うけど)まずいということなのかな…それだったら、
Sansに別れを告げて、New Homeを後にした。
この時の僕は、あんな大変なことが起きていたなんて1ミリも予想ができていなかったんだ…
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。