第4話

相談があるんですよ
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2020/04/18 14:08
「おや、陣川くん」

ひどく大きな声に反応して、杉下が返事をした。

どうして!今!ここに!この男がいるんだッ!

神戸は衝動的にそう叫びそうだった。

陣川は普段、捜査一課の経理にいるはずだ。こんなところにいていいはずはないのに……

いつもなら面倒臭いのが来た程度にしか感じなかったのだが、今という今は焦りの方が多かった。

「実は、相談があるんです」

「おや、また女性のことですか?」

「いや今回はそれじゃなくてですね」

「最近知り合った女性がいまして」

女じゃねーかッ!

神戸の心中のツッコミには構わず話が続けられる。

「その女性が所有している家を見に行ってほしいって。強盗が居座ってる可能性があるからって。見に行けないらしいんです」


「行けばいいじゃありませんか、君が」

杉下が言う。最もその通りなのだが、

「うーん、でも、ぼく強盗に銃を向けられても困るんですよ。だって経理だし」

だって経理だし、でいつもの、事件に首を突っ込むくせを抑えればいいのに、と思ったのは神戸だけではなかった。

この人と話しているとツッコミ所しかないのだが、そこをツッコませないところが、陣川が陣川たる由縁である。

「で、我々にどうしてほしいんでしょう」

「一緒に来てほしいんです!」

また面倒ごとを持ち込んだな……と、その場にいた全員が痛感した。

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