な、なに言ってるんだ俺!こんなふざけたこと……昨日のことだって酒飲んで酔ってやったことだしそこに何も気持ちなんてなかったはず!!
なのにぃぃぃぃぃ!!
どうしてこんなこと!!
「……」
嫌われちゃったかな。
陣川は黙りこくっている。なんというか、状況が飲み込めていない。というよりも、何も考えてない?
神戸の方までこんがらがってきたような気になったその時、予想外のことが起きた。
「え?……なんで泣いてるんですか?」
神戸の前で、陣川はぽろぽろ泣いていた。彼はこの男が泣くところを初めて見た。
「うう……好きだなんて言ってくれたの、ソン君が初めてだよ……ありがとう!」
「え、ええ?」
これ、OKってことか?
心の底では尋常じゃないほどに喜んでいる自分がいることに、少し恥ずかしくなる。
「よ、よろしくね、ソン君!ぼく、浮気もしないから安心して!ね!」
「は、はぁ……」
なんだろう。めっちゃ可愛い。守ってあげたい。
なんか、すっごい嬉しい……!!
神戸が陣川LOVEになったのは、この瞬間かもしれない。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。