ご飯はもう炊けていたからオムライスにした。
私のオムライスはオムレツを作ってご飯の上で半分に割る。
そしたらトロトロの美味しいのができるの。
少し間ができて、マサイさんを見る。
スマホにイヤホンを差して何かを聴いている。
私はその顔に見とれてしまった。
ふとマサさんが顔を上げる。
私はキッチンの方に向き直った。
あんな目で見つめられると恥ずかしい。
きっと耳まで真っ赤なんだろうな…
オムレツをご飯の上に乗せてマサイさんのところへ持っていった。
マサイさんが丁寧にスプーンで割っていく。
するとオムレツが2つに割れてオムライスになった。
トロトロのオムライス。
無邪気な顔で喜ぶマサイさん。
なんか少し中学生っぽいなって思っちゃった。
でもそこも可愛い…
2人で手を合わせて食べた。
オムライスは温かくて。
すぐに食べ終わっちゃった。
私はマサイさんに食後のコーヒーを入れた。
私はミルクティー。
話してる時にマサイさんに止められた。
ちょっと拗ねた顔をするマサイさん。
可愛い…
あぁ、ダメだダメだ。
こんなこと思っちゃ。
それからマサイとたくさん話した。
私たちはすぐに仲良くなった。
またレンタルしようなんて思っちゃって。
できれば本当の彼氏がいいなぁって。
そんな叶わないことまで想像してさ。
バカだなぁ…私。
もしかして引かれたかな?
嫌なのかな?
ごめんなさい。
それからお支払いをした。
玄関に向かっていくマサイさんが少し寂しい。
俯いてる私の顎を上げた。
マサイと目が合う。
マサイが家を出た。
LINEも交換して、またやり取りできる。
男性が怖かったのに。
マサイなら大丈夫って思った。
また来てくれるよね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!