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第1話

俺の想いと君の想い
199
2019/02/03 12:31
今は2月。
そろそろバレンタインが近付いてきたそんな頃だった。
凌は1人、まだ誰もいない早朝の教室で考え事をしていた。
喜多村 凌
喜多村 凌
はぁ…。そろそろバレンタインか…。あなたに逆チョコとかあげようかな?いや、でも…、俺からのチョコとか迷惑だよな…。じゃあ、告白は…?いや、それも迷惑だよな…。
ため息まじりにそんなことことを考えていると…。
友人A
そんなこと考えるなら、チョコ&告白して来い!
と、友人Aが背中を押してきた。
喜多村 凌
喜多村 凌
はぁ…!?む、無理に決まってんだろ!!片想いなのに…。
凌が俯いていると友人Aが肩に手をおいた。
友人A
お前は片想いのことを気にしてるけどな。片想いだからこそ、相手に想いを伝えて、両想いになるんだろ?
喜多村 凌
喜多村 凌
そ、そうだけど…。
でも…、自信なくて…。
俺は、いつもあなたの前じゃ素直になれないから…。
友人A
んなこと気にすんな!
俺はお前を応援してんだからな!
それに、友人としてはお前に幸せになって欲しいんだよ!
喜多村 凌
喜多村 凌
お前…。
凌は少し泣きそうになっていた。
だが、凌はどうすればいいのか分からずなやんでいた。
喜多村 凌
喜多村 凌
告白ってどういうことをすればいいのかな?
友人A
そりゃ、『好き』という気持ちを伝えるんだろ?
喜多村 凌
喜多村 凌
それだけ…?
友人A
それだけだろ?
喜多村 凌
喜多村 凌
マジか…。
凌は少し落ち込んだように見えたが、今回こそはと気合いを入れ直した。
喜多村 凌
喜多村 凌
俺…、やってみる!
あなたを取られるのは嫌だから…。
友人A
おう!
頑張れ!
そんなこんなで、凌の告白大作戦が始まった。

そして、バレンタイン前日の放課後。
凌はあなたの席のところに行った。
喜多村 凌
喜多村 凌
なぁ、ちょっと、話いい?
あなた

いいけど。どうしたの?

喜多村 凌
喜多村 凌
え、えっと…。明日、あなたに伝えたいことがあるから、教室に残ってて欲しいんだけど、いいか?別に用事とかがあんなら、無理して残らなくていいから。
あなた

う、うん。
明日は何もないから、残るよ。

凌とあなたはお互いに頬を少し赤く染めながらも、明日の約束をしてバラバラに帰って行った。
凌は家に着くと、明日のために手作りのチョコクッキーを作り始めた。
そして、一方のあなたの方も手作りチョコの準備に入っていた。
喜多村 凌
喜多村 凌
あなた、喜んでくれるといいな。
あなた

凌くん、喜んでくれるかな?

お互い似たようなことを考えながら、バレンタイン前日の準備を終え、その日を終えた。

そして、バレンタイン当日。
喜多村 凌
喜多村 凌
はぁ…。いよいよ今日だ!
が、頑張らないと…。
凌は告白に対する不安でいっぱいだった。
そして、学校に行き、放課後のことを考えてるだけで、1日の全ての授業が終わったのだった。
そして、約束の時間。教室には、凌とあなたの2人しかいない。
ドクドクとなる2人の心臓。
凌は大きく深呼吸し、口を開いた。
喜多村 凌
喜多村 凌
残ってくれてありがとう。
その…、実は…。あなたのことが…小学生の時からずっと…、好きだった!
あと、今日はバレンタインだから、コレやる…。
照れながら差し出したチョコクッキーをあなたは頬を赤く染めながら、静かに受け取った。
喜多村 凌
喜多村 凌
返事は無理しなくていい…。
その言葉はあなたを気遣ったようなものだった。
あなた

気を遣ってくれてありがとう。
でも、私も凌くんのことがずっと好きだったんだ…。

喜多村 凌
喜多村 凌
え…。それって…?
あなた

私も凌くんが好きです!
それと、これを受け取って?

あなたが差し出したチョコレートを凌は受け取った。だが、その時の2人の手は微かに震えていた。
喜多村 凌
喜多村 凌
ありがとう。
その…、これからよろしくな。
あなた

…うん!よろしくね!

そう言い、2人は両想いに気付き、晴れて恋人になれたのだった。

そして、それをネタに友人Aが凌をひやかしたのはまた別の話。

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