菜々美を追いかけ、早10分。
まなかの家までは電車でいくが、あの子はお金を持って行っていないので近くには居るだろうと探しているが、一向に見つかる気配はない。
体力が菜々美よりない私はすぐにバテそうになって、爽楽の迷惑になる。
でも、家に残ってるわけには行かない。
菜々美を見つけて、まなかに理由を聞いて……
考えるだけで疲れそうになる。
電車のためのお金は持ってきた。
菜々美を見つければ、まなかの家へ行ける。
子供の時も、菜々美とまなかが喧嘩して私が探しにいったことがあった。
その時菜々美は公園の遊具に隠れて…………
馬鹿げてるかもしれない。
でも、ずっと前から、悩み事がある時は公園に行く。
公園で隠れたり、遊んだり…
今私の中には公園に居る以外の考えがない。
居なかった場合、私は何も思いつかないかもしれない。
けど、何故か私には絶対公園に居ると考えている。
しばらく走って、公園まで、20m、10m、5m……
菜々美を呼んだら、菜々美から返事がきた。
嬉しいけど、喜ばしいけど、その後に続いた声は……
……
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。