第4話

予期せぬ出来事
2,624
2021/01/22 11:21
神山side
めでたい報告から早2ヶ月。
夏本番を迎えた7月のある日
事態が動き出した。
藤井流星
藤井流星
…うん。無理せんでええからな?
…ん、分かった。はーい。
深刻な顔をしたまま電話を終えた流星は
そのまま携帯を片付けながら帰る準備を始めていた。
桐山照史
桐山照史
…奥さん?
藤井流星
藤井流星
あ〜、うん。
ちょっとな。
濵田崇裕
濵田崇裕
どうしたん?
体調悪いん?
雑誌撮影終わりの楽屋。
濵ちゃんがそう聞くと、流星は分かりやすく
顔色を変え渋い顔をした。
藤井流星
藤井流星
つわり。
今までで1番しんどいらしくて。
夕飯作れなさそうやから
何か買ってきてくれる?って。
妊娠したらそれはある程度はしょうがないことやけど
それでも心配やんな。明らかに元気が無くなった。
神山智洋
神山智洋
…大丈夫なん?
何か手伝うことある?
小瀧望
小瀧望
俺も行こか?
藤井流星
藤井流星
いや、大丈夫。
今日はこれで終わりやから。
重岡大毅
重岡大毅
…せやけど大変なんちゃう?
子供らおったら。
藤井流星
藤井流星
…アイツも気使うから
ホンマにええよ。
ちょうど取材から戻ってきた淳太も
少し重たい空気感と流星の表情にどうた?って顔。

そしたら流星がまた一言呟いた。
藤井流星
藤井流星
…実は、実家に帰ろうかって
いう話も出てんねん。
体調もあんまり良くないし
子供2人見ながらはしんどいからって。





それはつまり、里帰り出産の話やった。

大阪の奥さんの実家に帰って、
赤ちゃんが産まれてある程度落ち着くまで
そこに住むのがいいんじゃないかって。

奥さんのご両親のいるし。

絶賛ママっ子の陽斗もそれなら
おじいちゃんおばあちゃんにみてもらえるからって。
藤井流星
藤井流星
俺は大阪で仕事のときに会いに行けるし
そっちの方が安心じゃないかって。
ちゃんとパパをしている流星がいて
とてもかっこよくて逞しかった。

でもまた流星は顔色を渋くさせた。
桐山照史
桐山照史
…俺はええと思うけど
何か不安なことがあるん?
藤井流星
藤井流星
向こうのお義母さんが
少し体が弱くてな。
2人も子供連れていくのは
どうなんやろって。
それで俺の実家はどうなんやろって
思って電話したんやけど
忙しいから預かることはできないって
思いっきり断られて。
重岡大毅
重岡大毅
……えっ、じゃ帰らんの?
藤井流星
藤井流星
いや、流石にこのままは無理やと思う。
やから少なくとも嫁と
あの怪獣には大阪に行って
もらうつもり。
中間淳太
中間淳太
怪獣て。笑
弟くんな?
藤井流星
藤井流星
うん。あいつはもう
根っからのママっ子やから。
濵田崇裕
濵田崇裕
…え?じゃあ、お姉ちゃんは?
小瀧望
小瀧望
ほんまやん!!
どないするん!!










…これが流星とその娘
あなたちゃんの物語の始まり。























藤井流星
藤井流星
あなたは
あなたは大阪に行かない。
…それで




俺と東京に残ると思う。

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