小瀧side
病院についても尚流星の腕の中で泣き続ける
あなたたん。

患者も俺ら以外いない。
ただただあなたたんの泣き声とそれを慰める
流星の声しか響かなかった。


看護師
｢藤井さん、藤井あなたさん〜、どうぞ！｣

奥の小さな部屋から優しい看護師の方が
名前を呼んで出てきてくれた。

目が合って何かと思ったら
可愛らしいお願い事。笑
そんなんね〜？

何度も言うけど俺の藤井家大好き人間やから
なんでもしたいんよ。笑

流星があなたたんを抱っこしたまま立って
1人ですら〜と行ってまうから
俺は慌てて荷物もって後を追った。





中に入れば優しそうなおじいさんが座っていた。
だけどあなたたんから見たら
ちょっと怖いようで……。

流星は自分の膝の上にあなたたんを
先生の方に向けるように座らせたんやけど
あなたたんからは流星が見えないから
急に不安になって泣きやみかけた涙も
またポロポロ溢れ出した。

あなたたんが見えるところに行けば
一瞬で涙が止まって俺の左手をきゅっと握った。


……はぁ、可愛い。笑















そっからはあっという間。
まぁあなたたんからしたら地獄やったと思うけど笑

音を聞くなり喉を見るなり色々されたけれど
先生はこの時期インフルエンザも流行ってるからと
子供が嫌いなインフルエンザの検査もして。笑

まぁ、ご想像の通り
あなたたんは大号泣。笑

終わった瞬間流星の膝から降りて
俺の所に抱きついてきたから
そのまま抱き上げた。

小さな背中を優しく撫でれば
泣き疲れたのかあなたたんの目は一気に
とろーんと今にも閉じそう。

そっからもあっという間笑
あなたたんは心の底から嫌やったのか
俺の服を強気握ったまま寝た。笑

…ホンマ可愛い笑

2人で待合室に戻れば
淳太と神ちゃんが心配そうな顔で俺らを見てた。

俺もあなたたんを起こさないように静かに
神ちゃんの隣に座れば
神ちゃんは手際よくあなたたんの頬の涙と汗を
乾いたタオルで優しく拭き取ってあげていた。

検査の結果とか色々心配なこともあるけれど
でも1番心配してるのは…

平常心を保っているようで保てていない
父の流星。

早く2人が安心出来ればええなって。

少しでも軽い風邪でありますように…。


可愛らしい寝顔を見ながら俺はそう願っていた。