中間side
腕の中でずっと料理に苦戦中の濵ちゃんを
応援しているあなたちゃん。
俺もあなたちゃんと一緒に応援をしていた。
腕の中であなたちゃんが
濵ちゃんがアチチ!とか痛!って
言う度に涙をためる。
ちょっとだけ笑顔になって
また濵ちゃんの事を見ているあなたちゃん。
人数分のハンバーグを焼いて
ひっくり返して皿に盛り付け。
まだ腕の中にいるあなたちゃんは
ハンバーグを「バーグ」って言いながら
手をバンザイして濵ちゃんに頭を撫でられていた。
俺が優しく下ろしてあげれば
あなたちゃんは濵ちゃんの足に抱きついた。
濵ちゃんが持っていたハンバーグの入ったお皿を
俺が受け取って今度は濵ちゃんが
あなたちゃんを抱っこした。
濵ちゃんに抱っこされたあなたちゃんは
台所にあるものを次から次に
ご飯に必要なものかを濵ちゃんに確認してる。
ガラスのコップを指さしたり
食パン指さしたり笑
濵ちゃんは嫌な顔せず
いらんよーって一つ一つ聞かれたものに
答えてあげていた。
冷蔵庫を開けて何かを探していた濵ちゃん。
あなたちゃんがソースを指でさして
濵ちゃんに聞けば笑顔で取り出す。
多分、濵ちゃんが探してたのは
きっとソース。
長年一緒にいたから
それくらい分かるけど管理してる場所は
覚えといて笑
準備も終わって晩ご飯。
あなたちゃんのご飯の手伝いは
甥っ子や姪っ子で慣れている濵ちゃんがすることに。
笑顔で濵ちゃんに美味しい、美味しいと
何度も伝えるあなたちゃん。
俺は何もしてへんけど
俺まで嬉しくなってくる。笑笑
明日ついに流星が退院する。
まだ俺も連絡とか何もしてへんから
大丈夫なのか心配。
口の周りにソースを付けて
俺に笑顔でそう言ってくれたあなたちゃん。
机の上に置かれたティッシュを1枚取って
優しくあなたちゃんの口の周りを拭いてあげた。
楽しい夕食も終えて
今濵ちゃんがお風呂を洗っている。
俺はあなたちゃんと一緒にソファに座って
テレビを見ていた。
そのままトテトテ歩いて
玄関に繋がる扉を開けて直ぐに置いてる
カバンを持ってきたあなたちゃん。
1枚の画用紙に書かれた絵は
流星が真ん中に居てその隣にあなたちゃんが
手を繋いで笑っている絵だった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!