藤井side
俺の首にこれでもかとしがみつくあなた。
病み上がりってこんなに人肌恋しくなるもんなん?
ほらまたギューって強く首に巻きついてくる。
……ちょっと痛いねん。笑
ちょっとだけ首に回っている手を緩めようと
外そうとすればまたキツく抱きついてくる。
初めて楽屋に連れて行くって言う時の朝も
こんな感じやった気がする。
「行くで〜」って言っても「いやいや」って。笑
逆戻りやな笑
と、隣から俺らを羨ましく見ていた望が
もう耐えきれません!!って言わんばかりに
等々あなたに声をかけた。
でも望は知りません。笑
俺らと1番よく会って遊んでいるけれど
望は知りません。
こうなったら俺しか見えなくなるのを。笑
今度は胸に頭をゴシゴシ押し付けてきた。笑
…あなたって女やんな?って言うくらいの痛さ笑
ってこれまたちっさい声で言うから望も呆然。笑
向こうでいきなり体の絡み笑
…うるさいうるさい。笑
背中を一定のリズムで叩いてあげれば
目がとろーんとしてきた。
……眠かったんやな笑
何があっても離したくないたった1人の愛娘。
俺が全力で守らなあかん大事な大事な存在を
じゃあなって言って置いていくなんて
何があってもしない。
あなたは今不安なんかな。
大好きな大好きなママが中々帰ってこないから。
あなたが寝てからいつものように
現状報告をしてたけれど4日前から連絡がつかない。
俺が送ったメールにすら既読もついていない。
自分の頭を自分で撫でながら
俺の顔を見てくるあなた。
確かにママは頑張ってるな。
不安な中一人で頑張ってるもんな。アイツは。
……俺も頑張らなきゃな。
俺の胸に頭を預けて寝そうなあなたの頬に
優しくキスをした。
マネージャーにあなたを預けた後にすぐ
楽屋待機組が呼ばれた。
望とペアの撮影の時事件が起きた……。
マネージャー
「ちょ、ちょっ!ちょっと待って!!!」
撮影していたら突如聞こえてきた
スタジオの外からの新人マネージャーの焦った声。
何事かと平然を保ちつつ内心では色々と
思っていながら望と撮影して
ポーズを替えてカメラのフラッシュを待っていた時
スタジオの扉がバタバタ開いた。
まぁきっと俺らには無関係だとまた次のポーズを
してカメラを見たその時…
俺の足に誰かが飛びついてきた。
……まぁそんなことする人は1人しかいない。笑
俺の足に飛びついてきたのをとりあえず抱き上げた。
ってさっきより泣いていたから
背中を叩いて泣き止ませてみるけれど
それでも全然泣き止まなかった。
俺を見てさらに安心しちゃったのか
またギューってきつく首に抱きついてくる。笑
話をしようと下ろそうとしたけれど
断固拒否され抱っこしたまましゃがんで
少しお話することに。笑
あなたからしたらちょっと難しい話やけど
それでも大事な話やから。
このままワガママになって欲しくないから。
望もあなたからの「のの」って呼ばれて
あなたの目線にしゃがんでくれて
腕の中でやけど望の手を優しく撫でていた。
頭は届かなかったんやな。笑
大きく頷いたあなたを
近くまで来てた新人マネージャーくんに預けて
新人マネージャーくんと一緒に俺らが見える
1番奥の小さなスペースを教えて
また撮影が再開。笑
2人のペア撮影が終わったら直ぐに全員での撮影。
スタッフさんも俺らのことを配慮してか
直ぐに終わらせてくれた。
腕を広げながら走ってくるあなたを
抱き上げてギューって抱きしめた。
あなたも俺もメンバーもニコニコ笑顔。
この写真が雑誌の裏側に使われ
ネットが荒れたのはまだ知らない。笑
〜青い鳥〜
@R.Y.U.S.E.I.
流星パパ素敵。
娘さんの顔は隠されているけれど
絶対可愛いの間違いない。
@(ノノ_☆)
『腕を広げて走ってくる娘ちゃんを
流星くんが腕を広げてそのまま抱っこ!!
メンバーもパパも娘ちゃんもニコニコ!!
スタッフさんも癒しに!!
皆さんにも癒しをおすそ分け!!!』
写真といい吹き出しも最高です。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!