藤井side
前の現場から移動してきて楽屋を開ければ
ニコニコしてる奴が約2名。

……うそ、全員。

望の膝の上にいたあなたは
俺に気づいてギューッと抱きついてきた。

黄色のカバンから動物の絵が書いてある
連絡帳を引っ張り出して俺に渡しに来てくれた。

俺と会うのが朝ぶりやからちょっと寂しかったらしく
俺が椅子に座って俺の膝の上にあなたを座らせた。

今日のページを開いて読み始めようとしたら
膝に座っていたあなたがモソモソと動いて
俺の胸に頭をつけて寝る体勢を作った。

背中を一定のリズムで叩けばあっという間に夢の中。
可愛いほっぺたは嫁と一緒。

夢の中ではママに会えるとええな？


起こさないように読み始めれば
先生の綺麗な字でこう書かれていた。

“今日は園服のボタンを1人で全部留められて
いました。
褒めてあげてもちょっと恥ずかしそうにするのは
相変わらずです。”

保護者欄のところに俺のサインをし終えたから
閉じて机に置こうとしたら…

目に入ったところを読めば
すぐにアイツにも知らせなあかんなって思って

すぐに呼んだ。
そしたらすぐに来てくれたしげ。
あなたが寝てるって分かってから
なるべく音を立てないように歩いてこっちに
向かってきてくれた。

連絡帳を見せればみるみるしげの顔が
気持ち悪いくらい変わっていく。

……まぁ無理もないか。
俺もびっくりしたんやから。笑







“制作活動で赤色のものをテーマに
お絵描きをしました。
トマトや消防車など描くお友達がいる中
あなたちゃんは端っこで黙々と
1人の男の子を描いていたので
誰か聞いてみたら
｢しげくん。(多分、重岡さんのことかな？)｣
パパのお友達とのこと。
どんな人か聞いてみたら
優しくて笑顔がかっこいい人って言ってました。
また描いた絵を本人に見せてあげるよう
伝えておりますので、よろしくお願いします。”

読み終えたしげは保護者欄とは別の
代理人のサインのところにしげがサインして
し終えた後にあなたの頭を優しく撫でて
また戻って行ったしげはあなたが描いたその絵を
大事そうに見つめて綺麗にたたみ直して
カバンの中に入れ直していた。

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お昼寝起床後……