神山side
久しぶりのあなたちゃんに嬉しい俺。笑
今は俺と照史が作ったお昼ご飯を食べている。
俺の隣でゆっくり食べてるあなたちゃん。
……はぁ、可愛い。
ええなぁ、流星。
これを毎日見てるんなんて。
…はぁ、俺も結婚して子ども欲しい。
ピーマンを俺にあーんしてくんねん笑
マジで可愛い。
多分2人の会話的にきっとあなたちゃんは
ピーマンが苦手なんだろう。
って、今にも泣きそうな顔で俺の方を見る。
ん〜、でもここでわかった!っていうのも
違う気がする。
あなたちゃんのフォークを貸してもらって
1口サイズに切ってそれをフォークに指して
持たせてあげた。
「パパ」っていうワードに渋々ピーマンを
口に入れたあなたちゃん。
食べ終えたあなたちゃんは苦さを言いたかったのか
それとも頑張ったよ!って言いたかったのか
あなたちゃんは右側に座っているしげの肩に
頭を押し付けた。笑
しげも頭を優しく撫でてあげていた。
苦戦した昼食も無事に終わり
今は皆でお絵描き中。
ちなみにあなたちゃんは俺の膝の上に座って
真剣に絵を書いている。
俺らは何を書いているのか気になりつつも
全員が思うがままあなたちゃんが持ってきた
画用紙に絵を書いていった。
使いすぎたクレヨンが小さくなり
周りの紙の中にすっぽり入ってしまって
そのクレヨンを一生懸命取ろうとしたけれど
取れなかったらしく
あなたちゃんがクレヨンを俺に差し出したから
俺は周りの紙を剥がしてあげた。
クレヨンを渡したらニコニコ笑顔で
絵の続きを描き続けるあなたちゃん。
その横で真剣な顔で携帯を見ている照史。
そう言えばさっきから画用紙に絵を書いてた手を
止めていた。
照史が俺の膝に座って絵を書いているあなたちゃん
に手招きすればあなたちゃんも俺から離れ
照史の膝の上に向かい合うように座った。
そんなにやばかったのだろうか。
俺は風邪をひいた流星を見てないから分からんけど
でも無理してたんやなってことは
直ぐに分かった。
3日間ねんね。
…それはつまり3日間の入院が必要ってこと。
3日間パパと離れる。
入院やからそんなちょくちょく会いに行けない。
俺らも仕事あるしもしバレたらって考えたら
少しの我慢があなたちゃんには必要やった。
そうなるよな。
一日だけって思ってたけれど
まさか今日から3日間会えないんやから。
今にも泣きそうになってしまったあなたちゃん。
照史も直ぐに気が付きそのままあなたちゃんを
抱っこして立ち上がった。
のんちゃんは照史の方にそそくさと向かって
照史の隣に立てばあなたちゃんはのんちゃんの
方に腕を伸ばしてのんちゃんもそのまま受け入れ
抱っこした。
ギューって抱きついてのんちゃんの首に
頭をゴシゴシつけたあなたちゃん。
のんちゃんも優しく頭を撫でてあげた。
不安だったあなたちゃんは
しげのしょーもない一発ギャグで
少し笑ってくれた。
俺らももっと笑って貰えるように
しげに色々話題を振った。
どれもどれもニコニコ笑ってくれたあなたちゃん。
しげってやっぱり、天才かもな。笑
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!