邪魔だともなんとも思ってない。
それを証明するために、俺から神崎さんに挨拶をすると、神崎さんの顔が驚いたように固まった。
ノートに書かれた丸文字も、衝撃のあまり少しバランスが悪かった。
そこまで書いたところで、俺は口をまた開いた。
あの綺麗な声が少しだけ漏れた瞬間、俺はすらすら話し出していた。
心の扉を開けるのは難しい。
けど、こっちから歩み寄らないと開くどころか開けてもくれない。
だから........
俺が君を見直した声で、今度は俺が、君を引き寄せる。
永遠に、人間は未完成で答えなんてないと思うけど、それでも少しでも人を成長させることや感化させることが出来るなら。
俺は君の光になりたい。
キモいかもしれないけど、純恋じゃなくて、神崎さんを笑顔にしたいと思った。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!