第34話

【第33話】
2,439
2020/07/14 14:10
あなた

(落ち着かなきゃ、落ち着かなきゃ...)

なんでこんなことになったんだろう...
本当に...馬鹿だ、私..ッ
なぜこんなことになったのか、それは数時間前のお話です




ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ
あなた

お疲れ様でした(*´▽`*)

店長
うん、お疲れ様。
今日はゆっくり休んでね^^
あなた

はい!店長もですよ^^

これで今日のバイトは終了
ということで私は家へ真っ直ぐ帰ります!

バイトが終わる時間帯ということもあり、辺りは真っ暗です
この辺りには街頭も少なく、夜に歩くとしては少々危険ですが、注意していれば大丈夫..なはずです!
モブ
あの..
あなた

ッ!は、はい!って..さっきのお客さんじゃないですか(*´▽`*)

この人は私のバイト先に来ていたお客さん
本日は初めてのご来店でした!
あなた

今日はうちのカフェに来て頂いてありがとうございました‪(*´﹀`*)‬

モブ
いえ...
あなた

...どうかされましたか?

モブ
君って、空龍あなたちゃんだよね..
あなた

ど、どうしてそれを...??

モブ
た、体育祭を見て...
あなた

そうですか..

その男性は体育祭を見て私の名を知ったと言いました
だけど、私はなぜかその男性に不信感を抱いてしまった..
モブ
ちょ、ちょっとお話を聞いて欲しくて..
あなた

それくらい構いませんけど..

その少し挙動不審な態度も気になった
モブ
僕、ね..ある女の子を好きになっちゃってね?
その子、いつも可愛い笑顔を浮かべて、どんな人の悩みとかも聞いてくれるんだよね
私はその一言に恐怖を感じた
モブ
でも、僕はこんな中年のおっさんな訳だ..
モブ
君なら..どう思うかな?(ガシッ
その人はそう言い、私の腕を強く掴んできた
あなた

は、、離して..ください...ッ

私はとても怖くて、声が思うように出なかった
やっと出せた声も小さく、掠れてた
モブ
ね、君のことなんだよ?僕が好きになった女の子...どう思うかな?
あなた

ぃや.....いや、だ..!!

モブ
そっか....じゃあ
男性がそう言った途端、体に激しい痛みが走った
痛みというより、痺れと言った方がいいかもしれない..強い電流が体に走ったような痛み..
それに耐えられなかった私は、そこで意識を手放してしまった



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目が覚めると、全く見覚えのない所にいた
そこはどこかの倉庫のようで、周りの音から察するに人気は全くないように思えた
身体は椅子に縄と一緒に括り付けられ、身動きは取れない状態にあった
手が塞がれているので、個性を使うのも無理だった
あなた

っ..手が痛い...

モブ
あ、起きたかい?
あなた

ッ!な、なんでこんなこと...ッ

モブ
君が僕を拒むからだよ
あの時感じた痺れ
あれは確かに電気を流された感覚だった...それとあいつの個性が関係しているのかもしれない
モブ
でも、乱暴しちゃったことは申し訳なく思ってるよ
ごめんね?
モブ
僕の個性はね、電気を操るんだ
と言っても、小さな電気だけだけどね
生体電気くらいなら簡単に操れるんだ
そう言うと、男性は私の頬に手を添えてきた
私はその時初めて、体が震えるほどの恐怖を感じた
瑠威に会った時、確かに恐怖は感じた..だけど、ここまで芯から震えるような恐怖は感じたことがなかった..
あなた

いや...だ

モブ
なんでそんなに拒絶するんだい?
あなた

あなたは...嫌い..!!

目の奥が熱くなり、私は涙を零した
モブ
あぁ..泣いちゃったや..でも、その顔もとっても可愛いよ(ニコッ
男性は私の頬に添えていた手を頭に置き、私の頭を撫でるようにした
とても怖くて仕方がなかった..

恐怖で思うように声も出せず、私は涙で感情を零すしかできなかった...

怖い...
あなた

(落ち着かなきゃ、落ち着かなきゃ...)

なんでこんな事になったんだろ...


本当に...馬鹿だ、私..ッ
あなた

(もっと早く気づけてたら...ッ)

モブ
さぁ..僕と一緒に行こ...?
あなた

..けて...ッ

モブ
??
あなた

助けて...ッ

それが、私がその時唯一出せた精一杯の声だった
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