なんでこんなことになったんだろう...
本当に...馬鹿だ、私..ッ
なぜこんなことになったのか、それは数時間前のお話です
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これで今日のバイトは終了
ということで私は家へ真っ直ぐ帰ります!
バイトが終わる時間帯ということもあり、辺りは真っ暗です
この辺りには街頭も少なく、夜に歩くとしては少々危険ですが、注意していれば大丈夫..なはずです!
この人は私のバイト先に来ていたお客さん
本日は初めてのご来店でした!
その男性は体育祭を見て私の名を知ったと言いました
だけど、私はなぜかその男性に不信感を抱いてしまった..
その少し挙動不審な態度も気になった
私はその一言に恐怖を感じた
その人はそう言い、私の腕を強く掴んできた
私はとても怖くて、声が思うように出なかった
やっと出せた声も小さく、掠れてた
男性がそう言った途端、体に激しい痛みが走った
痛みというより、痺れと言った方がいいかもしれない..強い電流が体に走ったような痛み..
それに耐えられなかった私は、そこで意識を手放してしまった
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目が覚めると、全く見覚えのない所にいた
そこはどこかの倉庫のようで、周りの音から察するに人気は全くないように思えた
身体は椅子に縄と一緒に括り付けられ、身動きは取れない状態にあった
手が塞がれているので、個性を使うのも無理だった
あの時感じた痺れ
あれは確かに電気を流された感覚だった...それとあいつの個性が関係しているのかもしれない
そう言うと、男性は私の頬に手を添えてきた
私はその時初めて、体が震えるほどの恐怖を感じた
瑠威に会った時、確かに恐怖は感じた..だけど、ここまで芯から震えるような恐怖は感じたことがなかった..
目の奥が熱くなり、私は涙を零した
男性は私の頬に添えていた手を頭に置き、私の頭を撫でるようにした
とても怖くて仕方がなかった..
恐怖で思うように声も出せず、私は涙で感情を零すしかできなかった...
怖い...
なんでこんな事になったんだろ...
本当に...馬鹿だ、私..ッ
それが、私がその時唯一出せた精一杯の声だった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。