第55話

【第54話】
1,704
2020/08/30 13:38
これで戦闘ができる。だけど、それと共にこんな声も聞こえた


「生徒のかっちゃん!!かっちゃんはなるべく戦闘を避けて!」


かっちゃん...確か、出久くんが勝己くんの事をそう呼んでいた気がする

それもそうだけど、、敵達の狙いが勝己くんだと言うことが分かって、内心凄く怖いの..ッ
あなた

(ひとまず、ブラッドから逃れないと..)

あなた

(相手は触れられず、私は攻撃可能..でも、そんなこと...ッ)

あなた

(ッ!1つある..ッ)

この林間学校期間からやり始めた技...
あなた

(ここで完成させればいいんだ!)

ブラッド
あなた、最後に一つだけ聞いておく
ブラッド
お前のその力が、世界の役に立つと言っても、、
ブラッド
こっちには帰らないんだな?
あなた

えぇ..それが本当でも、きっと違う意味だと思うし

ブラッド
ふっ..そうか。
ま、どう思ってもらっても構わない。だが
ブラッド
もしもここで俺を凌ぐことができても
ブラッド
次があることを忘れるなよ?
あなた

わざわざ忠告をありがとう(ˊᗜˋ)

私は感情を悟られないように笑顔を浮かべた。

所謂、ポーカーフェイス






木の葉が揺れ、ざわざわと音を立てる

その音がスッと無くなった時..



これが、戦いの合図
あなた

出力40%..ッ!

あなた

いっけぇッ!!!

前方に勢い良く、圧縮した風を放つ
ブラッド
成程、出力は自在に変えられるのか..
ブラッド
だが、方向性が単純だ
そう言い、ブラッドは横に軽く飛び、私の風を避けた
ブラッドは流れ動作でこちらに走って来た

急いで伸ばした手を戻し、防御の体制に入る
ブラッド
防御なんて、意味はないぞ、!!
ブラッドはスーツに隠し入れていたナイフを手に持つと、間合いに素早く潜り込み、ナイフを私の腹部に向けた
あなた

(まだ、間に合う..ッ!)

ブラッド
ッ!
寸前で風を操り、ナイフを食い止めた
ブラッド
結構やるじゃ、ないか..ッ
ブラッド
だが、ッ!
ブラッドは更に力強く踏み込み、ナイフを押し込んで来た
私も負けじと風で押し返す

しかし、やはり筋力の差というのはこういう所に良く出てくる..
ブラッド
まだ、弱いな..(ニヤッ
あなた

く...ッ

あなた

(また掠ちゃった..ッ)

ブラッド
血量操作!
あなた

ッ!(やっぱり、血が関係してたんだ..ッ)

また、ドクンと言う感覚が身体中に走った

身体の力が抜けていき、だんだんと立てなくなってくる
どうにか、かくつく足を立たせて相手の動きに視線をやる
ブラッド
ふっ..ふははははッ
ブラッド
さっきも血を取っているから、既に重度の貧血になっているはずかのだがな
確かにそうだった

我慢して立てばいい..けれど、それにも限界はあった
あなた

(フラッ

あなた

(やば、い..ッ)

私は、ついに立つことができなくなり、その場に倒れてしまいそうになった

一瞬の隙を逃さぬよう、ブラッドもこちらに向かっていた
立てないなら..
あなた

(飛ぶ!)

風を勢い良く吹かせ、自分の身体を浮かせる

安定させるために、風で自分の身体を包み込む
あなた

はぁ..はぁ..ッ

ブラッド
そんな使い方もできるのか、なるほどな..
本当に、成長しているようだな
あなた

最高の先生から訓練を受けてるんだもの

こうして飛んでいれば、ブラッドに触れられる可能性も低い

一石二鳥だ
だけど、憶測はあくまでも憶測だったようで...
あなた

ッ!あ、れ....ッ

ブラッド
あなた
個性を使う体力すらまともに確保できず、空中に投げ出される身体
ブラッド
俺ら大人もな
視界はまだ微かに見えていた

だけど、焦点が合わなかった



それでも、声ははっきりと聞き取れた
ブラッド
同じような訓練は積んでるんだ
ブラッド
だからな
あなた

(せめて、意識を保て..ッ!)

自分に必死に訴えかけ、意識を保つ
ブラッド
遠隔操作くらいは出来るようになってるんだ
ブラッド
(ま、対象から血が出ている場合だけだがな)
あなた

(完全にぬかった..)

不敵な笑みを浮かべながら、地面に這い蹲る私の元に近付いてくるブラッド

その手には、月光で光る1本のナイフ



風は強く吹き荒れ、その場にいる2人の髪がばさばさと揺らいだ
ブラッド
さぁ、帰ろうか、あなた
しっかりと握られたナイフが、私の元に振られようとする


私はダメ元で、身体の前で手を組んで攻撃に備える

それでも、刃物というものを向けられるだけでも怖かった私は、つい目を閉じてしまった
あなた

(行きたく、ないよ..ッ)

ナイフが振られ、キ-ンという金属音が鳴り響いた



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