2回戦も突破した私は、
今、会場に上がろうとしている
相手は..
両者の名前が呼ばれると、会場に入場していく
準決勝ということもあり、会場に姿を見せただけで、会場では歓声が上がった
私と勝己くんが会場に上がりきり、対面し合うと、勝己くんが周りには聞こえない程度の声でそっと話しかけてきた
開始の合図と共に、バァンッ!!と大きな爆発音が鳴り響いた
勝己くんが爆破でこっちへ飛んで来た音だ
先の戦いを見て、私は勝己くんの戦闘スタイルを観察していた
すると、案の定勝己くんは速攻が多かった
それでも、分かっていても避けるので精一杯という状況に何度も陥った
私がそう言った瞬間、その場は静まり返った
しかし、私は決して消えてなどいなかった
その場に、ちゃんといる
それはきっと、勝己くんも分かっているはず..
だけど、気づいていたとしても、、もう遅いよ
私が姿を消したのは、少しの間意識を阻害するため
微かに鳴り響いていた風の高音が止んだ
凄まじい高音と共に、風がうめく
風が、勝己くんを押し出す
自分の力が少しでも通じているのだと実感して、かなり嬉しい気持ちだった
だけど、まだまだ試合の途中、今はその感情を取っておく時!
再度爆発音が鳴ると、
爆破で私の風が相殺された
その衝撃で私は体勢を崩してしまった
勝己くんの個性により、当たりが煙で見えなくなる
私は風を操って勝己くんの位置を探った
この煙を動かさないほどの微風で
勝己くんの位置を見つけると、勝己くんの周りにある風を操り、個性を使用しても、爆風が起こらないように阻止する
周りの言葉に応えるように、勝己くんは挽回を試みた
勝己くんがこっちへ向かってくる...
けど、なぜだろう...すごく、視界がぼやける..
これじゃ..
気がついた時には、勝己くんが目の前にいて、右手を大きく振りかざしていた
あぁ..どんどん視界が暗くなってく..
なんでだろ..
だけど..まだ試合があるんだ...だからッ
足元がふらつく
みんなが何か言ってる..けど、もう分かんない..
そこで私は意識を手放した
爆豪が倒れそうになるあなたをキャッチした
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!