第77話

【第74話】
1,274
2021/01/03 08:00
さて皆さん、突然ですが、私は今どこにいるでしょうか!
って、私、勿体ぶることはできないので、言っちゃいます!
はい、私の育った、我が家です
本日は休日、ということで、私は久しぶりに我が家へと帰って来たのです
あなた

ただいま〜(ˊᗜˋ)

あなた

まぁ、誰もいないんだけd...((

あなた

え、

私は目の前の光景に、一度目を疑った
あなた

おか、ぁさん..ッ

あなた

おとぉさん..ッ!!!!

しかし、疑いの感情なんかよりも、嬉しさの感情が勝り、私は大好きな二人の元へと駆け寄った


じわじわと熱くなる瞳からは、ぼろぼろと涙が零れ、頬を伝った
お母さん
あなた(ニコッ
お父さん
 あなた、大きくなったな
あなた

ぁ、当たり前だよ..あれから8年も経ってるんだもん

お父さん
そうだったな(ニコッ
あなた

あのね、お母さん、お父さん
私、たくさん話したいことがあるの

お母さん
私達も、あなたの話をずっと聞きたかったの
話してくれる?
あなた

うん!

久しぶりの感覚に、私は嬉しさを抑えきれなかった

だから、つい、甘えたくなった
あなた

私、雄英に入って、それで、たくさんの敵と戦って、

あなた

それから、お父さんの事務所に職場体験にも行ったよ(ˊᗜˋ)

あなた

そこで、お母さんとお父さんの敵を討ったの!それとね、合宿ではね、

あなた

合宿、では...

お母さんとお父さんが居なくなってしまって、悲しいこと,辛いこと..たくさんの嫌なことがあった。でも、それらは全部、別の楽しいことや嬉しいことで紛らわしていた

でもそんなことは全部、偽りに過ぎなくて、
こうしていつかは、全部を思い知る。
お母さん
あなた..あなたの知ってしまった通り、私たちはあなたのお母さんとお父さんではないわ
お母さん
あなたにとって、ただの育て親でしかない
お母さん
でもね、あなたならきっと分かってくれるわね
お父さん
父さんと母さんは、お前のことが大好きだ。いつでも、愛している。
私は分かってる。2人の愛は、偽りの愛なんかじゃないって
あなた

うん、分かってるよ

あなた

私のことを助けてくれたことも、私を何不自由なく育ててくれたことも、全部、私は本当に嬉しかった

あなた

ありがとう、お父さん、お母さん(ˊᗜˋ)

あなた

大好きだよ

私は2人に包まれ、とても幸せだった

もっと、一緒にいたかったよ

まだ、このままがいいよ




ふと、そう思った。幸せな時間はずっとも続かないことは知っていたけれど、私は信じてみたかった
あなた

もう、どこにも行かないでね...ッ






ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ










空龍あなたが個性事故に遭い、意識を失ってから、1週間が過ぎていた
麗日お茶子
麗日お茶子
あなたちゃん、このまま起きひんとか..ないよね
耳郎響香
耳郎響香
あなたに限って、それは絶対ないよ
耳郎響香
耳郎響香
あなたは、呆れるくらいじっとしてられないしさ
麗日お茶子
麗日お茶子
うん、そうやね..(ニコッ
下校中、ヒーローと敵との戦闘に巻き込まれた空龍は、敵の個性に当たり、眠りに堕ちた。

敵は既に捕まったものの、個性が解ける兆しは一向に現れず、相澤先生の個性でも、打ち消すことが出来なかった
蛙吹梅雨
蛙吹梅雨
あなたちゃんも心配だけれど、爆豪ちゃんの方も心配だわ
蛙吹がふと視線を後ろに移し、口を開いた
緑谷出久
緑谷出久
かっちゃん、多分、ここ最近寝れてないと思う..
上鳴電気
上鳴電気
幼馴染じゃない俺らから見ても、分かるよ
目の下に付いた隈が、それを何よりも物語っていた


また、最近の爆豪の調子を見ても、それらは一目瞭然だった。
出せない本領に、冴えない表情
芦戸三奈
芦戸三奈
緑谷から言ってやんなよ
緑谷出久
緑谷出久
その気持ちもやまやまだけど、多分、僕の言うことなんて聞いてくれないと思うし..
轟焦凍
轟焦凍
......
轟焦凍
轟焦凍
おい、爆豪
爆豪勝己
爆豪勝己
あぁ?
轟焦凍
轟焦凍
お前、最近寝てねぇだろ
顔色も悪い
爆豪勝己
爆豪勝己
だから何だって言うんだよ、あぁ?
轟焦凍
轟焦凍
はぁ..ここまで言っても分からねぇのか
轟焦凍
轟焦凍
休めって言ってんだよ。
空龍のことが心配なのは分かる、けど、お前まで潰れちゃ、意味ねぇだろ
普段からライバル視している相手に言われた率直な言葉。

それを受け止める余裕すら、今の爆豪にはなかった
爆豪勝己
爆豪勝己
てめぇらに心配される程、俺ァ弱くねぇ!!俺がどうしようと、俺の勝手だ!お前らに指図される必要なんざねぇんだよ!!
轟焦凍
轟焦凍
その勝手で、1番悲しむのは空龍だろ!!少しは冷静になって考えろ!!
爆豪勝己
爆豪勝己
誰に何と思われようが、俺には関係ねぇんだよ!くそが!!
轟の胸ぐらから手を離し、爆豪はその場を去った。

いつもならすぐに個性を使っていたであろう爆豪が、何もせずに去った
恐らく、まともに戦う気力すら、なかったのだろう



その後、去った爆豪が向かったのは、空龍のいる病室だった









【爆豪 side】
静かに寝息を立てるあなたの横で、俺はただ、こいつを見てた。


ずっと寝てやがるから、ろくに太陽にも当たってねぇし、食事も摂れてねぇこいつの身体は、前よりもやせ細って、血色も悪かった


あいつが眠って1週間。
まだ、1週間。


それでも、こんな風に眠ってるあなたを見てると、もう死んでんじゃねぇか、とか、変なことを思っちまう
そんな自分に嫌気がさして、ろくに集中できなかった






こいつを起こす方法を調べてたらいつの間にか夜が明けてやがって、こいつの様子を見に来たら、無性に腹が立つ。

殴っちまえば起きるんじゃねぇか、そんなことも考えた
爆豪勝己
爆豪勝己
チッ...
爆豪勝己
爆豪勝己
はよ起きろや、あなた



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