あまり長い猶予はないから、私は具体的かつ手短に作戦を伝えた

でも、私の予想より状況は深刻で、いつ急転するか分からない

他3人も私の意見に賛成してくれた

私たちは二手に分かれた

私は倒壊寸前のビルの上と傍にいる方を救助する
一緒に行動を共にしてくれるのは、

布の伸縮性を操ることが出来る伸谷（しんたに）布布（ぬのぬの）君ことザクロスと
体の一部分に鳥の特性を持たせることが出来る鳥雲（ちょうう）飛永（とびなが）君ことオールバード

壊れた瓦礫が流れる川には、氷の形を自由自在に帰ることが出来る替益（かえます）氷形（ひょうけい）君ことアイスリメイカーが

逃げ道のない細い路地には、体の一部分を強化することができる一部（いちべ）京華（きょうか）ちゃんことトロイカが行ってくれてる

私と別の場所に向かってくれたみんなには、それぞれの救出が終わったら私たちがいるビルに集まってほしいと伝えてある



私の、作戦開始の合図に伴って、みんながその場でいっきに散った

ビルの様子を確認したところ、既に崩壊が始まり、要救護者の方が今にも落下しそうだった
ビルの傍にはまだ人がいる

例え相手がプロでも、私たちが手を抜くことは許されない
プロだとか一般市民だとか関係ない
手の届く範囲は守り抜く、それがヒーローだってオールマイトも言ってた

私たちがビルに到達する寸前で、屋上にいた救護者が柵から空中に投げ出された

彼の個性で布を高反発にしてもらい、それを用いて私を空中に飛ばしてもらう

こうすることで、普段の私なんかには出せないスピードで飛躍することができる

空中に投げられた私の体はビルの屋上近くまで届いた

私は必死に手を伸ばし、男性を空中でキャッチした
一瞬しか見えなかったけれど、右足の膝から下がぶらんとなっていたので、骨が折れていると判断した
だから、足を支えながら男性を腕で抱えた

私は下にいるオールバードに合図を送った

ビルの傍にはもう1人救護者がいた
遠くからだからあまり分からなかったけれど、白杖を持っていたから、恐らく盲目の方

この崩落には音でしか気づけていない

だから、早急にその場から安全な所まで誘導する必要がある
そうなると、必然的に要求されるのは速さ

鳥の特性を持たせることができる彼なら、私よりも速く動ける

ｽﾀｯと少しヒーローっぽい効果音を鳴らしながらかっこよく着地した

さっき空中で拾った木を当て木に、簡単な応急処置を施した

さてと、と
私はくるりと方向を変え、崩壊し続けるビルの方を向いた
ビルは徐々に傾いていて、あと数秒もすればま完全に倒れそうだった

中に人はいない、そう自分の個性を信じ、ビルを風で覆った

ビルがかなりかなりかなぁり重かったので、少ししかめっ面になってしまったけれど、どうにか綺麗に倒すことが出来た

立て直すことは無理だから、せめて被害を少なくする努力をした
これが最善だと思う

寄せ集めのメンバーだったけれど、上手く救助できて良かったと思う


さて、私はあの火柱の所に向かう訳ですが、恐らく炎は焦凍くんだと思う
でも、彼の炎だけではあそこまで大きな柱にはならないから、それだけの風..旋風でも吹いているのだろう、と予想し、私なりの援護作戦を立てながら向かった

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