第6話

チョロ松side
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2020/09/27 10:51
あの時、カラ松に懐中電灯を預けられ
弟二人を見ているよう、頼まれた。
……出口を探しに行くらしい。
懐中電灯を持っていけ、って言ったけれど、
弟に怖い思いをさせたくない、だとさ。
こんな暗いところで出口を探すなんて、
正直無理だと思ったけどね。
しかも、迷う可能性も高いと思う。
弟想いにも程があるよ。まったく。
カラ松
カラ松
弟たちのこと、頼んだぞ
チョロ松
チョロ松
……うん、迷わないでね
しばらくして、一松がこういった。
一松
一松
……僕、牢屋に戻る
チョロ松
チョロ松
は…………?
チョロ松
チョロ松
何言ってんの、ダメだよ!
一松
一松
……ここ落ち着かないし
立ってるのも疲れたし
チョロ松
チョロ松
ちょっと、何言って……
僕が反対しようとすると、歩いて行ってしまった。
チョロ松
チョロ松
何だよあいつ!
おそ松兄さんに待ってろ
って言われただろ!!
チョロ松
チョロ松
…………………ッたく
                      ミシ…………ミシ…………ミシ…………
トド松
トド松
!!?
トド松
トド松
……チョ……ロ……松……に…い…さ………
チョロ松
チョロ松
え?
トド松
トド松
ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!
チョロ松
チョロ松
……ッ
チョロ松
チョロ松
と…………ど………ま……ッ……
チョロ松
チョロ松
た……す………………け
必死でトド松の目を見たが
ああ、
もう
終わりだ。
トド松は十四松の手を引いて
次第に遠ざかっていく。
僕のことは、助けてはくれないんだ。
僕なんか
どうでもいいんだ。
全てを諦めきって、静かに目を閉じた。

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