「お久しぶりです〜!アイカワさん!」
ア「元気しとったかぁ〜?」
「アイカワさんに会えなくて寂しかったです」
よく、そんな嘘がペラペラと口から出るものだ。
つい5分前にお客様ノートを見返して思い出したというのに。
ア「仕事が忙しくてなぁ」
「それはお疲れ様です☺️ 何飲まれます?」
ア「久々やし、ドンペリにしよか」
「嬉しい〜!! 今日は呑むよ〜☺️」
その後は、いつも通り 転々と席を変わり 閉店。
着替えて、お店を出る。
今日はオーナーに呼ばれたので、お店を出るのが遅くなり、
『裏から出て〜』と言われたので 裏口から出た。
たまには、違う道から帰るのもありかな〜なんて思い、暗い道を進んだ。
「うっ…ゲホ…ゲホ…」
と、何処かから聞こえた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!