数分後…ボロボロになっていた男性はどこかへ連れていかれた。
その間、あたしは 春に銃口を突きつけられ、
動けなかった。
春「で?なんでてめぇがここに居んの?」
「仕事の…帰り」
チラッと腕時計を見た。
春「へ〜…キャバクラってこんな遅くまでえーぎょーしてんのォ? それとも、違う方の営業かァ?笑」
馬鹿にしたように言われた。
そして、何より大好きな人にそう言われたことが嫌だった。
「枕なんかしてないけど、春こそ 薬やり過ぎて頭いってんじゃないの?」
そんな事言いたい訳じゃない。
"会いたかった"
"元気だった?"
"今も大好き"
そう伝えたかったのに。
春「へ〜…言うようになってんじゃん笑」
「…」
そんな事を言いながら、あたしの頬に手を置いた。
大好きな匂いが、近くに感じる感覚。
懐かしいな…と思ったのと。
春の薬指にまだ光る指輪に胸をぎゅーっと締め付けられた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。