目が覚めたときに 横に春の寝顔があって安心する
久しぶりに熟睡出来たことは、気の所為ではない
腰の痛み 身体のあちこちにある印、恋人では無いのに…と少し哀しくなった
頬に手を伸ばすと眉間に皺が寄り、幻覚ではないと
嬉しくなった
ベッドから降り、リビングへ向かい 昨日バラバラになったパズルを仕舞う。
春「…おい」
頭まで毛布を被り、お化けのようにのそのそと寝室から出てきた春
「おはよう」
春「…なんで横に居ねぇんだよ」
どうやら、目が覚めた時に横に居なかったことを怒っているらしい
「まだ、寝てたから…」
春「起きてた」
「いや、寝てたよ?」
春「…」
ソファにドカッと座り、こっちと手招きされる
「どうしたの?」
春「…」
ギューっと後ろから抱き締めてくるけど、何か声を発するわけではなかった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。