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第1話

罪と嘘  【JM×JK】
1,443
2020/08/04 08:33
                 ジミン&グク





JM「はあ、」





思っていたよりも大きなため息に、内心驚きし
ながらも動揺を隠すように布団に潜る。





一人で寝るには大きいと感じるクイーンサイズのベット。君は隣に居ないはずなのに、温もりを感じる僕はもうダメなのかもしれない。





さっきまで確かに在った存在を確かめるように、君の寝ていた場所を手で撫でれば、君がそこに居る気がして。





一粒の涙が頬を伝って、真っ白のベットシーツに白とは言いがたい鼠色のシミをつくった。その色は僕の心情そのもので、また頬を涙が伝う。





辛くて。





悲しくて。





苦しくて。





虚しくて。





今にも消えてしまいそうな僕は、こんなに複雑な感情を支えられるほど強くはない。





だから嫌なんだよ。





抱かれた後の罪悪感と喪失感が僕を支配するから。





君に抱かれている間は何も考えず、ただ快感に溺れていれば良い。





でも君は僕を見てはくれないから。





違う人を僕と重ねて見てるから。





そこには気づかないふりをして。





行為中でも電話が鳴れば、すぐに出て行ってしまうよね。ホテル代だけ机に置いて。きっちり全額置いて。





君は僕に何度も言う。「この関係をやめよう」って。この関係をやめてしまったら、僕はもう君と会うことすら出来なくなってしまう。





そもそも、会っていること事態イケナイことなんだ。





"不倫" "浮気" 





世の中ではイケナイこと。





君は僕以外にもっと大切な人が居る。守らなきゃいけない人が居るから。





そして僕は世の中で認められない。





好きな人に好きと言えない。





僕の好きな人は男だから。





君は抱けたら誰でもいいって人だから、僕のことを気持ち悪がることもなく優しく、包みこんでくれるように抱く。





僕の上に被さり、前髪をかきあげるときに見える左手薬指の少し薄汚れた指輪は知らないふりをして、





ボソッと呟く、「○○っ」という声は聞かなかったことにして、





いつものように罪と嘘を体と共に重ねるんだ。









JK「ごめん、ジミナ、ちょっと俺行くわ。」





そう言って、いつものようにきっちりホテル代全額をテーブルに置くと、乱れた服を直してそそくさと部屋を出ていく。





今日もまた、一人で寝るには大きいと感じるクイーンサイズのベットで横になり、君の存在を感じるようにシーツをぎゅっと握りしめ、君のために涙を流しながら眠るんだ。





罪悪感と喪失感に押し潰されそうになりながら。









  ―私が造り出した夢の中で
          私はあなたの夢を見る―






Thank you for reading to the end.
I hope you will have good fortune.






Goodbye everyone.
Have a nice dream.🌙





                                       ひな。

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