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第9話

アンギラスとの勝負
(ほのか)
「実力なんかぁ、どうでもいいしぃ〜!」

(浩輔)
「意味分かんねぇって言ってんだよ!いい加減オレたちをおちょくるのはやめろよ!あとでどうなってもいいのかよ!」

(凛華)
「その言葉、そっくりそのままお返ししますよ、森野さん。貴方、調子に乗って偉そうなこと言って、殺られたいのですか?」

ぎ、ぎゃ〜!何つう時速150キロの凄まじい直球!暁さん、そういうことはもっとオブラートに包んで!

何ならゴミ箱に投げ捨てて!

(浩輔)
「はっ、馬鹿にしてくれんなぁ、クソ女が」

(凛華)
「クソ女ではありません、暁です」

(浩輔)
「そんなのはどうだっていいんだよ。オレはな、5歳の頃から陸上とかのスポーツやってんだよ。運動神経には自信があるっつーわけ。どんなに襲われても、オレは逃げ切れる自信があるぜ」

(凛華)
「あ、そうですか。どうでもいい演説、長々とありがとうございました」

(浩輔)
「てめぇ、ふざけんな!!」

(凛華)
「うるさいですね。貴方のその喧しい口はどうしたら塞がるのですか。…まぁ、そこまで貴方が自信を持つのなら、いいでしょう。ここにいる5体の怪獣の中から、お好きな怪獣を選んで下さい。その子と勝負してもらいます」

大丈夫そうなこと言ってるけど、無傷では帰れないって、森野。

舐めてかかったら、自分の身を滅ぼすだけ。

(悠太)
「おい森野!いくら何でも無茶だろ!?見て分かんねぇのかよ、あいつは人間じゃねぇ、しかもお前の相手は怪獣なんだろ!?諦めろよ!」

(浩輔)
「いいや、オレは諦めねぇ!怪獣なんかチョロいって」

ドラマみたいなやり取りをする二人を無表情で眺める暁さん。さっき、川崎が暁さんのことを「あいつ」呼ばわりしたとき、暁さんは「私は暁です」ってぼそっと呟いてたなぁ。

ちょっと面白かった。だけど、それだけ名前にこだわるんだから、それなりに何か経験してきたのかな。

(浩輔)
「決めた、そのハリネズミみたいな…、アンギラスと勝負させろ」

へぇ、アンギラスを選ぶんだ。まぁ確かに、逃げるのは簡単そうだけど…。

(凛華)
「アンギラスですね。分かりました」

暁さんはそう言ってから、後ろの怪獣たちを振り向いた。

(凛華)
「アンギラス、よかったね。ご指名だよ。最近は暴れ足りなさそうだったし、丁度よかった。さぁ、好きに暴れていいんだよ、アンギラス!」

暁さんに撫でられたアンギラスは、自信満々に森野の前にスタンバイした。

(凛華)
「それでは参ります、よーい…スタート!」

始まりを告げる暁さんの高らかな声とともに、アンギラスが突進してきた。

(浩輔)
「はっ、思ってたよりチョロいなぁ!!」

余裕そうに森野が走る。だけど、身体の大きさで勝るアンギラスは、全力を出さずとも簡単に森野に追いつく。

(浩輔)
「う、嘘だろ…!」

(悠太)
「だから言っただろ!無茶だって!」

とにかく走る森野の額には、大きな汗の粒が浮かぶ。

…あれ、アンギラスのスピードが落ちてきたんじゃない?

(真白)
「ふふ、あのクソハリネズミ、もうバテてるんだけどマジでウケる笑笑」

いや、これはバテたわけじゃないね。これはそう、これは…。

(浩輔)
「オレの勝ちだ、このオレが負けるわけがねぇだろ〜!」

自信たっぷりに胸をそらした浩輔を、後ろからトゲトゲのボールのようなものが襲った。

(浩輔)
「ぐ、ぐわぁッ!!」

それに轢かれる浩輔。辺りには真っ赤な血が飛び散った。

(クラス全員)
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

(悠太)
「おい、森野!?どうしたんだよ!?」

あの殺人兵器のようなボールは…。って、アンギラスじゃん!

(凛華)
「あら、意外と呆気ないのですね」

モスラのふわふわな頭に寝そべる暁さんは、退屈そうに欠伸をした。

(ほのか)
「あんた何言ってんの!?人が殺されかけてるんだよ!?どうして欠伸なんかできるわけ!?薄情者!!」

(凛華)
「貴女は、私が殺されかけているところを見て助けてくれたことがありましたか?」

(ほのか)
「っ…!」

ほのかは悔しそうに唇を噛む。

(凛華)
「まぁ貴女は、いじめる側でしたからねぇ。私を助けるわけ無いですよね」

のんびりした声なのに、よく分からない緊張感が漂う。

(凛華)
「今、森野さんを襲ったのは、アンギラスの得意技、『アンギラスボール』です。自分の身体をボール状にし、転がって背中などの針で相手を滅多刺しにします」

うへぇ…。リアル過ぎるって…。

(ひかり)
「森野はどうするんです?このままでは死んでしまいますよ」

私がそれとなく注意すると、暁さんはモスラからぴょこんと飛び降りて、森野に近づいた。

(浩輔)
「ううッ、何…し、に、来…たんだ…よ…!」

(凛華)
「あら、死にたいのですか?それは失礼致しました。どうぞ、ごゆっくり」

(浩輔)
「ち…ちげーし…!オレを助けろ…!」

(凛華)
「上から目線の方は嫌いでーす」

(浩輔)
「ふ…ざけ…んな…!お、オレが…死、ぬか、もしれ…ねぇんだ…ぞ…!」

(凛華)
「べつに、死んでいただいて構いません」

さらりと言ってのける暁さん。

(凛華)
「私は貴方にも復讐するつもりだったのですよ、森野さん。ですから、むしろ死んでいただいたほうが楽なのです。それに、貴方は私を死ぬほどいじめましたね。私が貴方を殺したとしても、悪いことではないでしょう?」

狂気じみた笑顔で、小首を傾げる暁さん。
浩輔は悔しそうに、

(浩輔)
「た…、助け…て、く、ださ…い…!」

と、お腹の奥底から絞り出したような声を発した。

暁さんはにっこり笑って、

(凛華)
「はい、いいですよ」

と、浩輔の背中の血が滲んだ傷に、右手を当てた。瞬く間に血が止まって、傷が消えていく。

わぁ…。すごい…、かっこいい…!

(悠太)
「やっぱり人間じゃねぇ…!」

(凛華)
「…はい、終わりましたよ。命知らずなんですから、次からは気を付けたほうがいいですね」

(浩輔)
「あ、ありがとうございました…」

取り敢えず、よかった。だけど…。

何か忘れてる気がする。

(凛華)
「皆さん、忘れていませんか?私はこれから、怪獣たちの実力をお見せするんです。参加するのは、皆さん全員ですよ?」

(真白)
「は!?絶対に嫌だ!」

(ほのか)
「身体弱いからぁ、参加できないかもぉ」

(凛華)
「大丈夫です。そういう方にはもれなく直接の死が待っていますよ」

(ひかり)
「直接の死って、怪獣たちに踏み潰されるみたいな感じですか?」

(凛華)
「流石は園田さん。勘が鋭いですねぇ。そんな感じです」

(浩輔)
「つまり、死にたくねぇなら参加しろっていうことか?」

(凛華)
「ええ、そうです」

さっきまで身体が弱いフリをしていたほのかは、顔色を変えて震えている。

(凛華)
「樋口さん、どうするのですか?」

(ほのか)
「身体が弱いからぁ、できるかどうか分かんないけどぉ、チャレンジするねぇ!」

嘘つきほのか。ウザいったらありゃしない。

(凛華)
「皆さん全員が参加と見做し、これから始めていきたいと思います。諦めたり、捕まったりした方には容赦なく死を与えさせていただきます。諦めたら終わり。捕まったら終わり。せいぜい頑張って下さい♥」

暁さんが指を鳴らすと同時に、怪獣たちが一斉に突進してきた。

わ、わぁ〜!助けて〜!

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凛堂景千代
凛堂景千代
はじめまして! ゴジラが大好き過ぎる女子です! 深海生物も大好きです! まぁ、ただの変人です(笑) あと、ジャニーズWESTも大好きだったりします。 フォロバ絶対するほうです。 仲良くしてくれると嬉しいです。 よろしくお願いします!
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