無料ケータイ小説ならプリ小説 byGMO

第4話

ゴジラとアンギラス
で、何で私たちはグラウンドにいるの?

(凛華)
「さぁこれから、私の最愛の使い魔である怪獣たちを皆さんに紹介したいと思います」

怪獣?怪獣って、あの…。恐竜みたいな生き物だっけ。現実にいるはずはないんだけどなぁ…。

暁さんは嘘をつかない。

それは、私がよく知っている。

これまでずっと暁さんがいじめられているところを見ていて、何度も思ったんだ。

怪獣の存在が、暁さんは人間ではないということ、私たちは非日常にいること、魔法は本当にあるということを仄めかしている。

(浩輔)
「か、怪獣!?ファンタジーの世界じゃねぇか!!有り得ねぇ、有り得ねぇ!!」

浩輔パニック状態じゃないか。
ダサっ。

いや、私は落ち着き過ぎ?
皆パニック状態だもんね。

私が異常だったのか。

(凛華)
「危ないですから、グラウンドの端に集まって下さい」

私の友達である神瀧 真白(かみたき ましろ)は真っ青だ。

(真白)
「ひかりはどうしてそんなに落ち着いてるの…?怖くないの…?」

(ひかり)
「いや、うーん…。怖いっていうか、何ていうか…。べつに、何か落ち着いてるだけ。冷静過ぎて自分が怖い」

(真白)
「ひかり怖い…。私はそんなに落ち着いていられないよ…!怖いもん…!私はいじめていないのに、これから復讐されるんだよ!?酷いよ…!!」

(ひかり)
「まぁ確かに私も真白も暁さんをいじめてないよ。だけど、助けてあげられなかったでしょう?傍観者もいじめる側って、よく学校で言われるじゃんか。それだよ、それ」

(真白)
「確かに助けてあげられなかったよ!だって助けたら私だってどうなるか分からないんだよ!?自分もいじめられるとか絶対嫌!!」

何だか人間っていうのは醜いなぁ。普段物静かでおとなしい真白がこんなにも裏の顔が怖いなんて思わなかった。

人間は、やっぱり自分中心なんだね。

非日常って、こんなに人間の素顔を暴いていくんだ。

知りたくもない素顔まで知ってしまうのは、流石に残酷だなぁ。

真白にそっぽを向かれた私は、仕方なく一人でグラウンドの端の柵にもたれかかる。

すると、樋口 ほのか(ひぐち ほのか)が寄ってきた。

(ほのか)
「ね、ひかり。ひかりはあいつのことどう思う?」

(ひかり)
「あいつって、暁さんのこと?」

(ほのか)
「そうそう。急に自分を出してきて、超ウザイんだけど。魔法とか、ファンタジーの読み過ぎじゃね?」

(ひかり)
「人それぞれでしょ。それから、現実は受け入れるしか仕方ないよ。暁さんはずっといじめられてきたんだから、これくらい許してあげてもいいと思うんだけど」

(ほのか)
「え〜無理無理。絶対無理。あいつキモい。あたしよりも可愛くなってるし、整形じゃね?あんなにブスだったのに。ウザい。あたしよりも目立とうとするその精神が分かんねぇし」

ほのかはクラス1のぶりっ子で、クラス1の性格悪い女の子。苦手なんだよなぁ。自分より可愛い子を見るとガセネタ流してモテないようにするんだよ。だから嫌い。

何故私はこいつに好かれている?

好かれるようなことしてないし。

(ひかり)
「そうですか…。まぁあんまり悪口は言うもんじゃないんじゃない?それこそ、暁さんはすごい人だよ?盗み聞きされてる可能性もあるんだから、ほのかも少しは気を付けなよ」

(ほのか)
「ふん、そんなのどうだっていいし。あたしよりも上行くやつは潰さなきゃ気が済まねぇし」

(ひかり)
「そう…。忠告はしたからね?」

(ほのか)
「はいはい、されました」

うんざりしたようにほのかは吐き捨てると、さっさと行ってしまった。

(凛華)
「それでは、いきますね。園田さん、もう少し離れてください。あなたに怪我はしてほしくありませんから」

(ひかり)
「あ、ありがとうございます」

気遣いが優しい…。
そこまで悪い人じゃないよ。

だけど、どうして私を気遣ってくれるんだろう?私だって暁さんを助けてあげられたわけじゃないのに…。

まぁ理由は何であれ、嬉しいかも。ずっと暁さんと仲良くなりたかったし、こうして気遣ってもらえるのは嬉しい。

ちゃんとお礼、しなくちゃね。

私が頭を下げると、暁さんは微笑んで、グラウンドの中心に向かって両手を向けた。強い風が巻き起こり、暁さんの綺麗な黒髪を弄ぶ。

(真白)
「わ、わ、何よこれ!?」

(浩輔)
「意味分かんねぇし…!どうなってんだよ!?」

(悠太)
「やっぱり人間じゃねぇな、こいつ…!」

(凛華)
「さぁ、いでよ、ゴジラ!!」

暁さんが叫ぶと、グラウンドの土が大きく盛り上がり、突然大きな黒い何かが飛び出してきた!

うわぁ、何が起こってるの!?

(ほのか)
「キャアアアアアアア!!」

(悠太)
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

(浩輔)
「嘘だろ!!何なんだよ、マジで!!」

皆は大声で叫んで、腰を抜かしたのかその場にへたり込む。

出てきた何かをよく見ると、確かに怪獣みたい。大きな目がぎろりと私たちを睨んでいる。

(凛華)
「紹介しましょう、この子はゴジラ。水爆大怪獣、怪獣王とも呼ばれます。1954年当時の身長は50メートル、体重は2万トン。主な能力・武器は、白熱光とも呼ばれる放射熱線です。体内に溜め込んだ放射能を口から熱線として吐き出すことができ、その際に背びれを発光させます。攻撃力は高く、強い生命力も持っていて、どんな兵器も一切受け付けません」

え、強過ぎじゃない!?

(ほのか)
「それはないわ…」

ゴジラはその大きく長い尻尾で暁さんを持ち上げると、優しく肩に乗せた。暁さんがにっこり笑って撫でてあげると、ゴジラは嬉しそうに何とも言えない鳴き声を発した。

厳つくて怖い見た目の割に、なかなか優しい心を持ってるのかも。ゴジラの口元も心なしか緩んでいるように見えて、やっぱり邪知暴虐の生物じゃないと思う。

(真白)
「無理、無理無理、こんなの無理!!」

真白の金切り声がグラウンドに響き、ゴジラの雰囲気が一気に変わった。

怒ってる。真白が騒いだから。

(凛華)
「神瀧さん!あまり騒がないほうが身のためです!ゴジラはうるさいのが苦手です、怒ったら放射熱線を吐きかねません!皆さんも気を付けてください!」

ゴジラの肩から暁さんの厳しい声が飛んできた。真白は悔しそうに唇を噛む。

(凛華)
「ゴジラは私には心を許してくれています。ですが、怒れば私にも止められない可能性があります。私が先程のように大声を上げてもゴジラは許してくれますが、皆さんの場合は分かりません。死にたくないのなら、どれだけ怖くても悲鳴を上げないほうがよろしいかと思います」

暁さんはゴジラを優しく撫でる。
ゴジラが纏っていた怒りは少しずつ消えて、もとに戻っていく。

ふぅ、ハラハラした。
あんまり変なことはしないでほしい。
寿命が短くなるから。

(凛華)
「それでは、次行きますか。いでよ、アンギラス!!」

あんぎらす?

すると、またグラウンドが大きく盛り上がり、大きなハリネズミのような何かが出てきた!

(凛華)
「この子はアンギラス。暴竜とも呼ばれます。学名はアンキロサウルスといい、約1億5〜6千年前に生息していた恐竜の一種です。脳髄が体内の数カ所に分散しているため、非常に機敏な行動が可能です。通常は4足歩行ですが、戦うときは直立します。性格は凶暴で、多種に対して攻撃心が強いですが、私には懐いていますから、今はそこまで凶暴ではありません。1955年当時の身長は60メートル、体重は3万トンで、主な武器は鋭い牙、頭の角、背中のトゲです」

えぇ…。強いって。
アンキロサウルスの生き残りが怪獣になった感じなのかな。

(浩輔)
「信じらんねぇし…。まだいるのかよ!」

(凛華)
「ええ、まだまだたくさんいますよ?」

(ほのか)
「これだけでいいじゃん!流石にこれ以上は嫌なんだけど!」

(凛華)
「そうですか。何があってもあなたは上から目線なんですね。そんな人の願いなんか聞くわけないじゃないですか。私は自分の使い魔たちを全部紹介しないと気が済みませんから、樋口さんの要望はなかったことにしますね」

がっくりと肩を落とすほのかに、暁さんは声高らかに言った。

(凛華)
「ずっと私のこと人間以下だと思っていたのでしょう?それなら、人間以下に向かって人間であるあなたがお願いすることなどあるはずないですよね?ということで、更にいきまーす!」

自分の発言が首を締めるとは、こういうことだ。

シェア&お気に入りしよう!

この作品をお気に入りに追加して、更新通知を受け取ろう!

凛堂景千代
凛堂景千代
はじめまして! ゴジラが大好き過ぎる女子です! 深海生物も大好きです! まぁ、ただの変人です(笑) あと、ジャニーズWESTも大好きだったりします。 フォロバ絶対するほうです。 仲良くしてくれると嬉しいです。 よろしくお願いします!
ホラーの作品もっと見る
公式作品もっと見る