第6話

有安 泰政
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2018/05/11 11:18
それからしばらく、先生に練習相手をしてもらっていたが、先生も忙しいのでかるた友達を探さなくてはいけなくなった。
仲の良い友達を何人か誘ってみたりしたが、
みんな中々興味を示さなかった。
「はぁ…どうしよう…
このままじゃ練習できないよ…」
廊下で大きなため息をついた。
「なあ」
「?」
急に後ろから声を掛けられて、びっくりして振り向いた。
そこには男の子が立っていた。
「競技かるた、やる人探してんの?」
「えっ…うん、そうだけど」
「俺、有安 泰政(ありやす たいせい)
お前は?」
「あ、うん……………え?
高崎 彩(たかさき あや)だけど」
その男の子は私より少しだけ背が高くて、
中肉中背、顔もふつーだし、見た感じ運動神経がずば抜けて良いようには見えないし、頭が良さそうにも見えない、theふつー男子だった。
「だから。競技かるた一緒にやりたい。」
てか、短くしか喋らないから分かりにくいし。
…え?今なんて…
「あの、えと、それは…」
「先生から聞いたんだよ。
かるた友達探してるんでしょ?
俺も久しぶりにかるたやろーかなーって。」
そいつは、かるたが好きって訳じゃなくて、
ただ暇つぶしでしたいって感じだ。
…とりあえず、1人集まったのかな?

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