第26話
👠
むくれている私を、るっくんは頭ポンポンしてあやした。
ちょっとわがままを言って、困らせてやろう作戦。
(…この人には作戦は通じなかったみたい。)
でも、結果的にるっくんとご飯に行けるのは嬉しいので、ここは素直に甘えよう。
昨日からそうだけど、この人、期待させるようなことしかいわないよね。
「るっくん好きな子が聞いたら、泣いちゃうよ?」と、後付けして。
本気って何が?
好きな子でもいるのかな、
まあ、るっくんだから、彼女の1人や2人…
(いや2人は問題だわ)
(…そんなに分かりやすかったっけ、私)
きっとるっくんの前だと、自分の感情が出やすいんだろうなあ。と納得をしている、私。
すごく嬉しい。…嬉しいけど、
やっぱりまだ完全に傷は癒えてなくて。
るっくんのことはすごく信頼してる。…それに、私も多分、いや、完璧にるっくんのことが好き。
今までにない、温かい感情が、るっくんに対して生まれてる。
(…私は先に進んでもいいの?)
俯きながら考えていると、私の両手を、るっくんの両手が包んだ。