第14話
👠
彼と私の間に起きたこと、それのせいで人をなかなか信用できなくなったこと。
全て瑠姫さんに話した。
途中、泣きそうになるのを必死で堪え、冷静に、淡々と。
ほらね?
瑠姫さん、幻滅してるよ。
まぁ、別に同情が欲しいわけでもないし。
これで終わりならそれで…
そんなこと考えてたら、なぜか、頭が命令していないのに、涙が出てきた。
急いで涙を拭っていると、急に身体が引き寄せられて、瑠姫さんの胸に私の顔がある状態に。
「誰も見てないから、泣きな?」って瑠姫さんに頭をポンポンされた。
その瞬間、私の中で張り詰めていた糸がプツンっと切れた。
今まで溜めていた涙が溢れてきて、子供のように、瑠姫さんの胸の中で泣きじゃくった。
瑠姫さんは何も言わず、ただただ抱きしめながら、私の背中をトントンしたり、摩ってくれた。
私はきっと、誰かに甘えたかったんだろう。
でも、また裏切られるのが怖くて、なかなか甘えられず、
自分で作った偽りの自分を出して、逃げていた。
周りから沢山手を差し伸べられても、その手を掴むことが出来ず、
こんな風になるまで、溜めてしまったんだ。
でも、その偽りの自分の中にいる本来の自分の手を、瑠姫さんが掴んでくれた。