第33話
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るっくんは恥ずかしいのか、私のおでこをコツンと小突いて、そっぽ向いてしまった。
(幸せだな、本当に。)
るっくんが「前向いていいんだよ。」って言ってくれたから、今この時間があるんだと思うと、本当に感謝でしかない。
そう言うと、るっくんは何も言わず、だけど、優しく微笑んでくれた。
「この人とずっと一緒にいたい。」ってこういう事なんだなって実感した。
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私の自宅まで歩いていると、すごく大事なことに気がついた。
…なんですと???
いや、本当に申し訳なさ過ぎて…
確かにタクシー呼べばいい話だけど、深夜料金は高いし…
「るっくんが良ければだけど…」と、後付けをして、るっくんに提案してみた。
こうして、付き合って初めてのお泊まりが決まった。
(そういえば、彼氏をウチに泊めたことはなかったな〜)
相手の家に行くことはあっても、自分の家に泊めたことは今までで一度もなかったことを思い出す。
(…なんか緊張してきた。)
よくわからない緊張を抱きながら、自宅へ向かった。