“ 一緒にチキンたべよ! ”
無邪気なそんな声が、私には新鮮すぎた。
聞き返したのに 、
私が聞こえなかったと思ったのか
もう一度言い直そうとする彼。
……と 、私の横から
思わぬ声が飛んできた。
なよんおんにが丁寧に、
でも少し怒りも含めたような言い方で
彼らを黙らせた。
何かわちゃわちゃ始まってるんだけど。 (
流石なよんおんに、と言える一喝だと思ったけど
この人たちには通じなかったようだ。
いかにも、うんざりだ、という様子を漂わせている。
あんまりなよんおんにの事は、怒らせない方がいい。
今ハラハラしながら見ているのは、
私だけではないだろう。
見かねたマネオンニが、助け舟をさっと出してくれた。
拒絶感は出さずに、
やんわりと、断っている。
……と。
マネージャーさんさらしき方。
なんか……良い意味で、
ゆみおんにとは正反対の人だった。
サラサラのロングヘアーに、
綺麗系の美人。
反対に、ゆみおんには
少し巻いてある、ボブに
小動物を連想させるような、
可愛らしい顔。
" 失礼しました "
頬をぷくっと膨らませ、
ふくれっ面になったなよんおんに。
サービスショットなんだろうけど、
私は他のことに頭が行ってた。
……あ、そうだ
なんて思って、
私の頭に浮かんだのは、
自分でもびっくりするくらい、
破天荒な作戦だった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。