沢村たちが入学し馴染めてきた頃
その日の一也はソワソワしていた
グローブの中を拳でパンパン叩く
そんなとき、大きな声で一也を呼ぶ声が聞こえてくる
沢村がもうダッシュでやってくる
その後ろから降谷もやってくる
沢村は、忙しそうに交互に話しその場で足踏みする
慌てだし、一二、一二と屈伸などを始める
一部盛り上がる中、グラウンドの入り口が騒がしくなる
監督がやってくる
帽子を脱ぎ、頭を下げる
監督や三年生のところからは遠ざかり一也たちのところに向かう
沢村は、御幸兄弟の顔を交互に見比べる
降谷は、郁也に近づき話しかける
郁也は振り返り降谷を見上げる
一也が指差し何かを訴える
その方向を見ると、川上がレガースを持って、ブルペンで何も言わず待っている
沢村がグローブを持ち、要求する
郁也は駆け出し、川上のもとに行く
降谷はオーラだけを放ち、とってほしいアピールをするが郁也には届かず
二人はすこし話し込む
郁也とノリは笑い合いった後、投球準備をするため郁也はレガースをつけていると丹波がやってくる
郁也は、レガースをつける手を止め丹波の顔を見る
真剣な顔で頼み込む
即座に断られて落ち込む暇もなかった
郁也の顔が明るくなる
テンションが上がったところで、ようやく投球練習が始まる
ノリは、足を大きく上げ腕を振り下ろす
得意ボール、スライダーが郁也のミットに収まり、ブルペンに響き渡る
コース、高さ文句なしのボールだ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。