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第1話

復帰
2,036
2019/04/23 13:36
沢村たちが入学し馴染めてきた頃

その日の一也はソワソワしていた
倉持洋一
倉持洋一
御幸どうしたんだ
朝からソワソワして
御幸一也
御幸一也
そうか?
特に何もねぇーよ
グローブの中を拳でパンパン叩く
倉持洋一
倉持洋一
嘘つけ!
練習前、スポーツメガネと普段つけてるメガネ間違って持ってきたじゃねぇか
御幸一也
御幸一也
あれは、たまたまだ!
そんなとき、大きな声で一也を呼ぶ声が聞こえてくる
沢村栄純
沢村栄純
御幸一也ー!!
俺の球を受けろ!!
沢村がもうダッシュでやってくる
降谷暁
降谷暁
僕が先だ
その後ろから降谷もやってくる
御幸一也
御幸一也
フルネームで呼ぶな!
あと、降谷オーラしまえ!
倉持洋一
倉持洋一
沢村、相変わらずうっせえーな
沢村栄純
沢村栄純
そんなことないっすよ!
これでも、一段階静かに呼んでますよ!
それよりも、さぁ早く!受けてください!!
沢村は、忙しそうに交互に話しその場で足踏みする
御幸一也
御幸一也
いいけど、お前らアップしたのかよ
沢村栄純
沢村栄純
タイヤをひいてきました!
降谷暁
降谷暁
僕も
御幸一也
御幸一也
クリス先輩が出した、メニューちゃんとこなせよ
沢村栄純
沢村栄純
まだ、師匠は来てないのでそのうちに!
倉持洋一
倉持洋一
クリス先輩にチクってやる
沢村栄純
沢村栄純
それどけは!それだけはー!
慌てだし、一二、一二と屈伸などを始める
御幸一也
御幸一也
そんな、早くやっても効果ねぇーよ
ちゃんと、しっかりゆっくりやれ
一部盛り上がる中、グラウンドの入り口が騒がしくなる
結城哲也
結城哲也
帰ってきたか
伊佐敷純
伊佐敷純
よぉ!思ったより早いお帰りだな!
小湊亮介
小湊亮介
まだ、ベットの上でも良かったんじゃないの
御幸郁也
亮さんやめてください!
数カ月もできず、ベットの上でウズウズしてたんっから!
途中、病室抜け出して子供相手とキャッチボールしてたら見つかって、大目玉食らったんすよ
丹波光一郎
丹波光一郎
相変わらずでを何よりだ
御幸郁也
早く、丹波さんの球を受けたくって早く戻ってきました
片岡鉄心
片岡鉄心
御幸、無事に帰ってくれたみたいだな
監督がやってくる
御幸郁也
監督
長い間休んでしまい、申し訳ありませんでした
帽子を脱ぎ、頭を下げる
片岡鉄心
片岡鉄心
仕方ない
それより、頭の方はもぉ大丈夫なのか
御幸郁也
はい
一応、無理にはするなと言われてますが自分が行けると思うところまでやろうと思ってます
片岡鉄心
片岡鉄心
そうか
頭だからな
無理だけはするなよ
御幸郁也
はい!
監督や三年生のところからは遠ざかり一也たちのところに向かう
倉持洋一
倉持洋一
そういうことか
だから、ソワソワしてたんだな
御幸一也
御幸一也
昨日退院したんだ
沢村栄純
沢村栄純
あの人誰だ?
てかあの顔どこかで…
降谷暁
降谷暁
御幸先輩…
沢村栄純
沢村栄純
何言ってんだよ
降谷
御幸先輩ならここに…ええ!
御幸一也が二人!!
沢村は、御幸兄弟の顔を交互に見比べる
御幸一也
御幸一也
よぉ!郁也
御幸郁也
一也、倉持久しぶり
倉持洋一
倉持洋一
もぉ、平気なのかよ
御幸郁也
まぁ、制限はあるけど何とか
降谷は、郁也に近づき話しかける
降谷暁
降谷暁
もしかして、御幸郁也さんですか
郁也は振り返り降谷を見上げる
御幸郁也
どこかで会ったか?
降谷暁
降谷暁
いえ、初めてです
御幸郁也
じゃあ、何で知ってんだ
降谷暁
降谷暁
昔、雑誌で見ました
御幸郁也
あぁ!俺たちが一年の時
けど、一也しか乗って無くねぇか
降谷暁
降谷暁
いえ、それより前のジュニアの世界大会に出場された時のです
御幸郁也
あ~あ
懐かしいな
てか、よく覚えてたな
そんな昔の
降谷暁
降谷暁
いつか、受けてもらいたい人の名前は覚えてるんで
御幸郁也
へぇ~まさかのファンがいたとは
御幸一也
御幸一也
おい郁也
一也が指差し何かを訴える
御幸郁也
何だ?
その方向を見ると、川上がレガースを持って、ブルペンで何も言わず待っている
御幸一也
御幸一也
目が訴えてるぞ
受けろって
御幸郁也
とるのはいいけど、もう数時間あの状態で置いといたらどうなるんだろうな
倉持洋一
倉持洋一
キャハハ!ノリーそのまま立ってろー!
沢村栄純
沢村栄純
ちょっ、俺も俺も!
御幸先輩の弟さんに受けてもらいたいっす!
沢村がグローブを持ち、要求する
御幸郁也
えーとお前が…
沢村栄純
沢村栄純
沢村栄純です!
御幸郁也
沢村、あとで受けてやるからまずはあそこにスタンバってるやつを先に受けてやるよ
郁也は駆け出し、川上のもとに行く
倉持洋一
倉持洋一
お前は言葉に出せよ!
降谷暁
降谷暁
降谷はオーラだけを放ち、とってほしいアピールをするが郁也には届かず
御幸一也
御幸一也
あいつ来てそうそう、ノリに呼ばれるなんて気に入られてるな
倉持洋一
倉持洋一
確かに、入学当初から仲良かったからなあの二人
二人はすこし話し込む
御幸郁也
ノリ久しぶりだな
川上憲史
川上憲史
元気にしてた?
御幸郁也
おう!有りあまりすぎて退屈だった
そうだ。CDありがとな!
川上憲史
川上憲史
俺も、郁也の助けになれでばと思って
御幸郁也
十分だよ
郁也とノリは笑い合いった後、投球準備をするため郁也はレガースをつけていると丹波がやってくる
丹波光一郎
丹波光一郎
退院早々大変だな
御幸郁也
今日は、様子見でやれって医者からは言われてたんですけど、川上の顔を見ればそんなことも言っていられなくって
丹波光一郎
丹波光一郎
いいのか
医者が言うことを無視して
御幸郁也
自分の身体に異常がなければいいでしょう
丹波光一郎
丹波光一郎
あまり無理はするなよ
郁也は、レガースをつける手を止め丹波の顔を見る
御幸郁也
丹波さん!もしよろしければ、後で一球でいいので受けさせていただけませんか!
真剣な顔で頼み込む
丹波光一郎
丹波光一郎
断る
即座に断られて落ち込む暇もなかった
御幸郁也
即答ですね
やっぱりそうですよね
丹波光一郎
丹波光一郎
一球じゃぁ、物足りん
とことん付き合ってもらうぞ
郁也の顔が明るくなる
御幸郁也
はい!ぜひ!
テンションが上がったところで、ようやく投球練習が始まる
御幸郁也
ノリ、思いっきりこい!
川上憲史
川上憲史
行くよ!
ノリは、足を大きく上げ腕を振り下ろす
得意ボール、スライダーが郁也のミットに収まり、ブルペンに響き渡る
御幸郁也
ナイスボール
コース、高さ文句なしのボールだ

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