第6話

進級
786
2019/05/02 14:50
倉持洋一
倉持洋一
御幸行くぞ!
外から声が聞こえてきて、鞄を持ち、出てみると倉持・一也がドアの前にいた
御幸一也
御幸一也
迎えに来てやったぞ
倉持洋一
倉持洋一
お前方向音痴だからなヒャハ!
御幸郁也
ムムム
そう
実は、郁也はかなりの方向音痴で自分でグラウンドにも出られない
朝の散歩は外に出て自分の部屋が分からなく迷った結果散歩になった
御幸郁也
病院の中でしか生活してなかったから仕方ないだろ
御幸一也
御幸一也
いや、それよりも前からだろ!
倉持洋一
倉持洋一
ヒャハ!ほら行くぞ遅刻したら、監督に怒られるぞ
通学路を歩く
倉持洋一
倉持洋一
お前、半年以上も休んでたのによく進級できたな
御幸郁也
まぁ、授業は受けてなかったけど勉強はしっかりしてたからな
御幸一也
御幸一也
テストは、担任が持って行ってその場でやってたからな
御幸郁也
お前らの一つ下なんてゴメンだったから必死に頑張った
郁也にとって、初めての2年のクラス
クラスの方でもどんなことが待ち受けているのか
教室
女子生徒「えっ?御幸君が二人!」
男子生徒「御幸久しぶりだな!」
男子生徒「同じクラスだったの覚えてるか?」
女子生徒「みゆき君退院したんだね!良かった」



知らないものは、誰っといった顔で、知ってるものは近づき和を作る
御幸郁也
覚えてるぞ!
逆にお前らも覚えててくれたんだな
郁也は、席につき周りと話す
倉持洋一
倉持洋一
御幸弟盗られたぞ
いいのか
倉持はニヤニヤと笑う
御幸一也
御幸一也
別になんとも
一也は、鞄からスコアブックを取り出し見始める
倉持洋一
倉持洋一
次の対戦相手か?
御幸一也
御幸一也
今週に練習試合が入ってるからな予習しておこうと思って
倉持洋一
倉持洋一
相変わらずだな
郁也と話していた一人の女の子が

女子生徒「郁也くんって、一也くんと違って話してくれるから良いよね。一也いつも、一人で紙とニラメッコか倉持くんと話してるかだけだもんね!郁也くんたち双子なの一也くんは、ボッチで陰キャな感じたよね〜www」

ケラケラ笑い、周りにいる子達は「ちょっと何言ってるの」と止めている
だが、その女の子は笑うだけ
その子は、男の目を自分に向けるため、可愛くものを言う。いわば、ぶりっ子

バン!
郁也は、机を叩き、椅子から立ち上がる
御幸郁也
だったら、なんだよ
今までとは、トーンを落として声をだす
女子生徒「えっ?」

女の子はぶりっ子ポーズを取り、驚き顔になる
御幸郁也
それ辞めろよ
可愛くない
郁也は、そういい放ち一也の方へと行く

あっちこっちでは、「御幸よく言った!」などと男女生徒が言っていた
そんなことは気にせず、一也の前の席に座る
御幸郁也
一也俺にも見せろ
一也から、スコアブックをもらい苛立った顔で見る

その様子を、倉持と一也は見ていると
御幸郁也
なんだよ
郁也は睨むように見る
御幸一也
御幸一也
別にー
倉持洋一
倉持洋一
ヒャハ言うね
そのまま、黙々と授業が始まるまでスコアブックを見ていた

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