どうしてこうなったのでしょうか…
_________それは
数時間前のこと
放課後、
私はたまたま
音楽室の掃除をしていた
またあの
クラスメイトの女に頼まれたから…
また
あの時みたいに…
なるのかな…
と思いつつ
今日は
昼休み以来、
教室に戻れていない…
ちょうどよかったからもあるんだけど…
正直、はっきり言えない自分を
情けなく思っていた
窓から校庭を見やる
下校する生徒がちらほらと歩いていた
音楽室の入り口には男子先輩がいた
この人は…確か…
スポーツ大会で黒須くんに惨敗していた
バスケ部の先輩…?
なんだか…
嫌な予感しかしなかった
私は、咄嗟に嘘をついた
先輩は、スマホで私の写真を見せてきた
私は慌てて、音楽室を出ようとしたが、
先輩に腕を掴まれてしまった
私は、必死に抵抗したが、
先輩は私の口元を抑えてきた
息が…
できない…
苦しい…
廊下から女の子の声がしてきた
身体の力が抜けていく…
視界が暗くなって…
くろ…す…く…ん…
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!