第28話

逃げろ_学校逃走中
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2021/01/01 17:22
クラスメイト男
クラスメイト男
くっそ…何で倉持がいんだよ
先輩男子
先輩男子
痛ってぇ
音楽室に男たちが戻ってきた
クラスメイト男
クラスメイト男
大丈夫か?
先輩男子
先輩男子
お前はいいよな、
隠れてたんだから
クラスメイト男
クラスメイト男
とにかく、この女たちを別なとこに
音楽準備室のカギが開けられた


2人は横になって眠っていた
先輩男子
先輩男子
にしても、こいつら可愛いな…
クラスメイト男
クラスメイト男
先輩…やっちゃダメですよ、
時任さんは…僕が…
先輩男子
先輩男子
わかってるよ
クラスメイト男
クラスメイト男
どうしますか…
一旦起こして立たせますか
先輩男子
先輩男子
そうだな…
男は時任の足に縛った結束バンドを切った
その瞬間
時任 沙和
時任 沙和
あら、ありがとう
ゲス男!
時任は、すかさず上体を起こすと
男に回しりをかました

もう1人の男には、タックルを食らわし、
男は、後ろに倒れ壁に背中を打ちつけた



時任さんは、器用に、足を使ってハサミを後ろの手に持ち、私の手のバンドを切り、


すべての結束バンドを切り終えた
先輩男子
先輩男子
待てよ…
時任 沙和
時任 沙和
まだ何か用ですか?
先輩男子
先輩男子
痛てえだろうが、この女!
男は時任さんに向かってきた


時任さんはひらりとかわして、
私の手を握って走り出した



音楽室を出て、

階段を降りた



他にも男たちが


数人うろついていた



近くの教室へ逃げ込む




私
はぁ…はぁ…
時任 沙和
時任 沙和
はぁ…はぁ…大丈夫ッ?
私
う…うん
時任 沙和
時任 沙和
一体、私たちが
何したって言うのかしら…
私
ほ…ほんと…だね
時任 沙和
時任 沙和
実はね…私、
時任 沙和
時任 沙和
正直、こうなること、わかってたの…
私
え…
時任 沙和
時任 沙和
あなた…昼休みが終わってから
教室にいなかったじゃない…
時任 沙和
時任 沙和
あなたが授業に出ないなんて
よっぽどのことだわ
時任 沙和
時任 沙和
あなたを探していたら
あのいけかない女が、
音楽室に行けだの…
時任 沙和
時任 沙和
しょうがないから…来てあげたの
私
それって…私を助けに…?
時任 沙和
時任 沙和
言っておくけど、
あなたをコウに譲るつもりはないから!
時任 沙和
時任 沙和
私がBGとしてのプライドを
捨てたくないから
あなたを助けに行ったの
私
(自分も危険な目にあってまで…)
私
ごめん…ありがとう…!
時任 沙和
時任 沙和
もう…結局、
男2人相手には敵わなかったけど…
時任 沙和
時任 沙和
あとちょっと…
あなたは私が守るから
時任 沙和
時任 沙和
頑張って
私
うん!
教室の外が騒がしくなった
???
ッテメ!!
???
ウッ
???
グハ
???
この!
???
な、何なんだよ
???
つ、つえぇえ
???
ひぃいい、
???
ごめんなさいぃいいもうしません、
???
痛ててててッ!
???
ぬは!




暫くして、静かになった



時任 沙和
時任 沙和
あらら、あの子怒ると容赦ないからな…
時任 沙和
時任 沙和
終わったみたいね…
時任さんは、私と一緒に教室の外に出た
時任 沙和
時任 沙和
コウ!
廊下の先に、黒須くんがいた
黒須 洸
黒須 洸
あなた!!
黒須くんは血相をかいて
私の元へ走ってきた
黒須 洸
黒須 洸
大丈夫か!
怪我は?
こんな、心配そうな黒須くんを初めて見た
私
大丈夫!
私
時任さんが助けてくれたから
黒須 洸
黒須 洸
沙和…ありがとう
時任 沙和
時任 沙和
う、ううん…




こうして…


前代未聞の出来事は、無事終わった



一件に関わった加害者生徒は、
学校を自主退学した
_____________










あなたさん…
私、昼休みにあなたとコウを見たの…




いつだってコウは



あなたしか見てないのよ…



昼休みだって…


私を振り切って
あなたの元へ行ったの









どうしてかな…








私が見つめる先には


コウしかいないのに













どこに行ったって…







コウが見つめる先には…





















あなたがいた

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