なんでかわかんないけど、言葉にできないんだよ。
気持ちを正直に、だなんていわないで。心の内を形にできるほど、僕はしっかりいないよ。
壊れてないよ。悲しくないよ。
さみしがりの君の横にずっといるから。
リエル、リエル。
どうして雨が嫌いなの。
雨は大地を潤して、僕らを生かす。
雨がないと、人は死んでしまうんだよ。
リエル、リエル。
どうしてそんなに雨が嫌なの。
僕はずっと君の隣にいて、どんな時も傘になるのに。
雨の日。僕は決まって君に聞くけど、同じ返事しか返ってこない。
おうちがないね。あとどれだけ探したら見つかるのかな。
あそこにおっきな木があるよ。雨宿りでもしない?
木の実を拾ったよ。座って一緒に食べよう。
川があるよ。お魚見つけられるかな。
リエル、リエル。どうして急いでいるの。
僕の言うことなんて耳にも入ってないみたいだ。
リエルはまた答えてくれない。
僕、嫌われちゃったのかな。
僕は何にもできないまんまだ
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今日も雨なのね。ああ、お顔が濡れてしまうわ。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。