結局あの後、誰ともすれちがわなかった
ジェルくんがコンビニに行ってたから途中で会うかもって思ってたのに...
おかしい...
俺は、とくに意味もないけど走った
走ると言っても、小走り程度だけど...
ガチャ
家の中には誰も居なかった
誰かがいる形跡はちゃんとあるのに
るぅとくんもなーくんも、居なかった
まるで突然消えたかのように
カチカチ カチカチ
1人でいる部屋は時計の音がとても大きく聞こえた
だけど、エゴサをしてもここ10分間のツイートはなかった
なにもかも
「俺のこと」だけでもなく、全て
他のツイートも何も無かった
何かがおかしい
そう考えるしか、今はどうも出来なかった
カチカチ カチカチ
時計の音が鳴り響く
誰も居ない
俺は少し肌寒かったからコートを羽織って外に出た
外の空気はすごく冷たくて、指先がすごく冷えた
しばらくすると、いつもは人がたくさん集まる場所に着いた
そう、「いつもは」
静寂の暗闇の中
俺の声だけが響いた
1人も居ない
子供も大人も、犬も猫も
その時一際大きな風が吹いた
少女の顔は、笑っているのにすごく怖く感じた...
(っ´・д・)✄╰;.’:╯バチィン
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!