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「今ではかけがえのない存在」の小説・夢小説

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姉は弟の声を知らない。

姉は弟の声を知らない。

僕は、小さい頃に虐待というやつを受けていたらしい。 僕の前のお父さんは僕の笑顔を嫌った。 だから、僕は絶対に笑わない。 僕の前のお父さんは、僕の歌を嫌った。 だから、僕は歌を歌わない。 僕のお父さんは僕の声を嫌った。 ___だから、僕は声を出さない。 次第に僕は、声の出し方も、表情の変え方も忘れていった。 ________________ 私の弟…義理だけど、私にとって大好きな弟。 弟と初めてであったのは小4で、弟はその時小3だった。 初めてみた弟は、目が見えないくらい前髪が長くて、腕の所々に痣があるのが袖の隙間からちらちら見えて、初めて一緒にお風呂に入ったときにみた体の傷がトラウマになって、今でも血だけは恐怖の対象だ。 弟は笑わないしほとんど喋らないけど、私にとって唯一無二のかけがえのない存在になるのに、時間はかからなかった。

ー 19,958文字

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2022/09/04