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第65話

だい。ごじゅうにわ
お父さん
お父さん
………おい。
お父さん
お父さん
おい。あなた
あなた

お父さん………?

お父さん
お父さん
俺の前から勝手にいなくなったら、どうなるか分かってるんだろ?
お父様は少しずつ、私に近づいてくる。
私は、金縛りに縛られたように、動けなかった。
あなた

こ、こないでっ!

お父さん
お父さん
お前ごときが口答えするなよ?なんも価値がないモノめ。
あなた

価値なんて決められた覚えなんてない!

お父さん
お父さん
また、すぐ俺の手元に置いてやるよ。
お前も光希と同じことを繰り返すなよ?
あなた

お姉さまをバカにしないで!

お父様は私の首に手を置く。
私は時間が止まったみたいに、動けずぼう〜っと立っていることしかできない。
お父さん
お父さん
お前は俺のモノだ。
恐怖のオーラを放つ父が、この一瞬だけオーラが収まっていた。
……それに、私が聞いたことがない悲しそうな声。
あなた

お父様…?

お父さん
お父さん
俺のそばから離れるなんて………許さない。
そこから、私の意識は飛んでいた。
ぐるぐると気持ち悪いほど、頭痛がする。
誰も助けてくれない。
あなた

……痛いよ。

あなた

誰かっ……!

私は助けを求める。
その小さな声がだれかに届いたのか。
誰かが私の名前を呼んでいる気がする。
俺があなたの笑顔を取り戻してやる。
目を覚ませよ。あなた…。
あなた

誰…なの?

尋ねても、答えてくれない。私はまた少し不安になる。
この人を頼ってもいいのかと。
あなた

私は……あなたを信頼していいの?

すると、先ほどの人とは違う声が聞こえてきた。
当たり前だろ。俺はお前のことを信じてる。
だから、お前は俺を信じろよ。
あなた

……私に足りないものは何?

また、違う人の声が聞こえてくる。
足りないものなんて、みんなある。誰だって欠けてるんだ。
足りないものは、みんなで補えばいい。
また、違う人。
今することは、過去のことより、今…現在のことを考えること。
それはあなただってできることだもん。
すると、私の手に少し暖かなものが握られていた。
あなた

暖かい………

言っただろ?
俺たちはあなたのことを守ってみせる。
私はそっと暖かいものを胸に置く。
暖かいものは、私に語りかけてきているような気がする。
「俺たちを信じろ」「勇気を出して」………。
あなた

………私はどうすればいい?

まぁ。とりあえず、早く起きてこいよ。
そうだね〜待ちくたびれたよ。
あなた

…………そっか。

私はその言葉を信じて歩き始めた。
どこに向かうかなんて知らない。でも、こっちに行けばまた会える気がする。そんな気がするだけだ。
















すると、不意に体が軽くなった。
光希
光希
あなた……
あなた

お姉さま……

どこからか、お姉さまの声が聞こえる。
光希
光希
生きて。あなたは私の分まで生きて。
あなた

お姉さま……。

光希
光希
あなたはもう、1人じゃないのよ。
光希
光希
大丈夫。私はずっとあなたのことを見守っているから。
あなた

……わかった。

光希
光希
お父様に負けちゃダメよ。
あなた

……当たり前だよ。お姉さま。

光希
光希
………そう。それでいいの………
お姉さまの声が離れていく。もういなくなったんだと感じた。
また、誰かが呼んでる気がする。
誰だかわからないのに、もうそろそろ起きなきゃと思った。
私は勇気を振り絞り、瞼をゆっくり開けるーーーーーーーーーーーーー