私はそのまま何を話すことなく、公園だと思われるところのベンチに座らされた。
本当に公園なのか心配でそわそわしていると、
と彼はぶっきらぼうに言った。私はコクっと頷き、下を向く。
バレた。1人だって。あの時は優しい人だったけれど…。悪い人なのかもしれないし。さっきの人の仲間かもしれない。
体がガタガタ震え始めた。
すると、
と安心させるかのようにペットボトルのようなものを渡してきた。
彼がそんなに進めてくるのなら…。とごくんと一口。
口の中で苦味のあるコーヒーと甘みがあるミルクが混ざっていいハーモニーだ。私は思わず微笑する。
明らかに動揺しているのがバレバレ。私は頰を赤らめ、下を向く。
なんだろ…。さっきまで言葉遣いが荒かったのに。……優しく聞こえているだけかな?
なんか…。言ったら悪いけど…。歳下を相手にしているようだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!